中国「ゼロコロナ」政策 揺れる東南アジア経済 

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中国では、上海の厳しい外出制限が解除されたあとも新型コロナの感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策が続いています。これが東南アジアの経済に打撃となっています。

※過去の放送のセレクションをお届けします。

「ゼロコロナ」政策でドリアンが値上がり・・・なぜ?

中国・広州のスーパーに並ぶドリアン。「果物の王様」とも呼ばれ、味がよく栄養価も高いとして消費が拡大しています。

「ドリアンピザ」も人気で、食べた客の一人は「とてもおいしい」と話していました。

しかし今、異変が起きています。ドリアンの値上がりが続いているというのです。果物屋の店頭に並ぶタイ産のドリアンは、取材した日は1個3000円を超える値がついていました。

果物屋の店主
「去年(2021年)よりも15%くらい値段が高くなっている」

ドリアンを生産しているタイでは、輸出の9割が中国向けです。その出荷作業は例年と様子が違っています。

ドリアンを詰めた段ボールを専用の装置で消毒し、コンテナもスプレーをかけて入念に消毒します。さらに、ドリアンや箱の表面にコロナウイルスが付着していないか検査します。

徹底した対策をしないと、厳しい「ゼロコロナ」政策を続ける中国に輸出できないのではと懸念しているためです。

手間とコストをかけざるをえなくなったことが中国国内での値上がりの背景にあるのです。

ドリアン農園オーナー
「『ゼロコロナ』政策の影響で作業が非常に複雑になっている。自分たちでコントロールするのは難しい」

物流の混乱続く 「22年いっぱいまで」の見方も

影響はドリアンだけにとどまりません。東南アジアと国境を接する中国の広西チワン族自治区では6月上旬、東南アジアとの貿易に携わる中国のトラックで道路が激しく渋滞していました。

中国では「ゼロコロナ」政策によって、国境で受け取る東南アジアからの荷物の消毒や、ドライバーの陰性証明のチェックが厳しく行われるようになりました。

そのため貿易に混乱が続き、影響は電子部品や衣料品などにも及んでいます。5月には東南アジアからの輸入が減り、特にタイからは12.8%の大幅な減少となりました。

国際貿易の輸送を手がけるNX国際物流 広州支店 総合営業部 武田大輔副部長
「リードタイム(所要時間)の遅延による生産計画への影響もコストの高騰も問題としてあげられている。完全に正常に戻るまでは、ことし(22年)の下半期、あるいはことしいっぱいぐらい、まだまだかかるのではないか」

中国は、タイだけでなく東南アジアの多くの国にとって最大の貿易相手国です。それだけに「ゼロコロナ」政策のゆくえが、東南アジアの経済に、場合によっては日本にも大きくかかわることになります。
(広州支局長 高島浩、アジア総局 記者 影圭太)
【2022年8月17日放送、初回放送6月29日】