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4月15日のニュース

被害の賠償 先行し指針作りへ

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、被災した住民や企業などが受けている損害への賠償や補償を迅速に進めるため、賠償の判定の指針を策定する国の審査会の初会合が開かれ、明らかに賠償して問題のない被害について、先行して指針を作ることになりました。
この審査会は、福島第一原発の事故による被害の救済を迅速に進めるため、原子力損害賠償法に基づいて文部科学省に設置されたもので、15日、法律、医療、原子力の分野の10人の委員が出席して初会合が開かれました。
はじめに高木文部科学大臣があいさつし、「できるだけ早く賠償の範囲の判定など指針を策定することが何よりも求められている。社会的な要請に応えてほしい」と述べました。
このあと関係の省庁から指針を作るうえで前提となる、住民の被災状況や、農林水産業、商工業などの被害状況などが報告され、委員からは「緊急性のあるものから早急に指針を作ることが必要ではないか」といった意見や「地震や津波による損害と原子力による損害の区別が難しい」といった意見などが出されました。
審査会の会長に就任した学習院大学大学院の能見善久教授は「明らかに賠償して問題のない被害について、先行して指針を作りたい」と述べました。
会合のあと能見会長は「できるだけ早く指針を示して被害の救済につなげることが重要で、どのような損害が賠償の範囲に入るのか7月中には概略を示したい」と述べました。
ただ、福島第一原発の事故は大量の放射性物質が外部に放出され、避難や屋内退避の地域が広範囲におよぶとともに長期化しています。
過去に例のない甚大な損害に対して、どこまでの被害や影響を原発の事故によるものと認めるのか、作業は難航も予想されます。

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