2023年7月6日
プーチン大統領 ロシア ヨーロッパ 注目の人物

【全文】プーチン大統領 演説 “反乱首謀者 正気失っていた”

ロシアのプーチン大統領は26日の演説で、民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏による武装反乱を激しく非難。一方、ワグネルの戦闘員たちに対しては、隣国ベラルーシに行けば安全を保証すると主張しました。以下、演説の全文です。

※この記事は2023年6月28日に公開したものです

プーチン大統領 演説全文

友人の皆さま。

今日、改めてすべてのロシア国民に呼びかける。

皆さんの自制、結束、愛国心に感謝する。

この国民の連帯によって、いかなる脅しや内紛を起こそうとする試みも、失敗に終わるということが示された。

繰り返すが、社会も行政府や立法府も、あらゆるレベルにおいて、最大の結束を見せてくれた。

社会団体、宗教団体、主要政党など、実質ロシア社会全体が、憲法の秩序を支持するという明確な立場をとった。

皆を結束し団結させた重要なもの、それは祖国の運命に対する責任だった。

強調しておくが、事の初めから、脅威を無力化するため、憲法の秩序を守るため、また国民の生命と安全を守るために、必要なあらゆる決断が迅速に下された。

武装反乱はいずれにせよ鎮圧されていただろう。

反乱の首謀者は、正気を失ってはいたものの、それに気づかないはずはなかった。

彼らは、外からの巨大な脅威、前例のない圧力に直面しているこの国を、分裂させ弱体化させるという犯罪行為を犯したということをはじめ、すべてを理解していた。

我々の同志が戦場で「一歩も後退するな」と言われながら死んでいる時にだ。

しかし、反乱の首謀者は、自国や自国民を裏切ると同時に、犯罪行為に巻き込んだ者たちのことも裏切った。

彼らにうそをつき、銃撃戦の中で死に追いやり、自分たちの仲間を銃撃させた。

ロシアの敵はまさにこのような結果――兄弟殺しを望んでいた。

キエフ(キーウ)のネオナチや彼らの西側の庇護ひご者、そしてさまざまな国家反逆者たち。

彼らは、ロシアの兵士たちが互いに殺し合い、軍人や民間人が死ぬことを望んでいた。

その結果、ロシアが敗北し、われわれの社会が分裂して、血生臭い内紛の中で窒息してしまうことを。

彼らはもみ手をしつつ、前線やいわゆる反転攻勢での失敗のリベンジを夢見ていたが、それは誤算だった。

反乱者の前に立ちはだかり、自らの義務、宣誓、そして国民に対して忠実であり続けたすべての軍人、法執行機関の職員、特殊部隊の隊員に感謝する。

殉職した英雄であるパイロットたちの勇気と自己犠牲の精神のおかげで、ロシアは悲劇的かつ破滅的な事態に陥るのを免れた。

それと同時に、私たちは、ワグネル・グループの戦闘員や指揮官の大多数もまた、自国民と自国に献身的なロシアの愛国者であるということを知っていたし、今も知っている。

彼らはそれを、ドンバスとノヴォロシアを解放した戦場で見せた勇敢さによって証明した。

そんな彼らを、国とその未来のために共に戦った戦友たちに対して、やみくもに利用しようとする試みがなされた。

そのため、事件が起きた当初から、私からの直接の指示により、多くの流血を避けるための措置が取られた。

過ちを犯した者に考え直すチャンスを与え、彼らの行動が社会から断固として拒否されていること、そして彼らが引きずり込まれた冒険が、ロシアにとってどれだけ悲劇的かつ破滅的な結果をもたらすかを理解する機会を与えるために、時間が必要だった。

兄弟殺しの流血の事態に加担しないという唯一の正しい決断をし、最後の一線で止まったワグネル・グループの兵士や指揮官たちに感謝する。

今、あなたがたは、国防省や警察などと契約を結んだ上でロシアで働き続けることもできるし、家族の元に戻ることもできる。

希望する者はベラルーシに行くこともできる。

私がした約束は守られる。

繰り返すが、その選択はあなたがた一人一人に委ねられている。

ただ、それは、みずからの悲劇的な過ちを認めたロシアの戦士たちの選択であると確信している。

平和的な事態解決に尽力・貢献してくださった、ベラルーシのアレクサンドル・グリゴーリエヴィッチ・ルカシェンコ大統領に感謝する。

しかし、繰り返すが、この数日で決定的な役割を果たしたのは、国民の愛国心とロシア社会全体の結束だった。

こうした支えがあったからこそ、祖国にとって最も困難な試練を一緒に乗り越えることができた。

あなたたちに感謝する。

ありがとう。

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