科学

民間開発の新型宇宙船で宇宙へ 出発前に野口聡一さん期待語る

民間開発の新型宇宙船で宇宙へ 出発前に野口聡一さん期待語る

2020.11.11

アメリカの民間企業が開発した宇宙船の1号機に搭乗して今月15日に国際宇宙ステーションに向かう計画の日本人宇宙飛行士、野口聡一さんが打ち上げ前としては最後となる記者会見をオンラインで行い「独特の緊張感とわくわく感がある」と心境を述べました。

日本人宇宙飛行士の野口聡一さんは、アメリカの民間企業が開発した宇宙船「クルードラゴン」の1号機に搭乗して今月15日に国際宇宙ステーションに向かい、半年間、滞在する計画です。

野口さんはアメリカ・フロリダ州にあるケネディ宇宙センターの中の外部と隔離された宇宙飛行士専用の施設に入ったということで、10日、打ち上げ前としては最後となる記者会見をオンラインで行いました。

その中で、打ち上げが近づいていることについて、「実物のロケットや宇宙船、それに宇宙服などを見ながら細かい手順を確認している。打ち上げ前の独特の緊張感があるが、いよいよこの日がきたというわくわく感もある」と心境を述べました。

また、今回の打ち上げに込めた思いとして、「ことしは新型コロナの感染拡大やオリンピックの延期、それにアメリカでは人権を求める運動の広がりなど多くの人にとって厳しい1年だったが、皆さんの気持ちと一緒に宇宙に飛び、すばらしい未来への展望を届けたい」と語りました。

そして「新しい宇宙船の船内は快適で、ワイヤーやスイッチが少なくシンプルでエレガントなつくりになっている。宇宙服も軽くて着心地がよく、着脱も簡単だ。皆さんと希望を分かち合えるようなすばらしいミッションにしたい。行ってきます」と笑顔で手をふっていました。

野口さんは神奈川県出身の55歳で、宇宙に滞在するのは10年ぶり3度目です。アメリカの「スペースシャトル」、ロシアの「ソユーズ」に続き、今回で異なる3つのタイプの宇宙船に搭乗することになります。

船長務めるホプキンス宇宙飛行士「最後の準備順調」

提供 SpaceX

また、船長を務めるマイケル・ホプキンス宇宙飛行士は「打ち上げが近づき緊張が高まっているが、同時に最後の準備が順調に進み、全員でいい時間を過ごし緊張を和らげることができている」と話しました。

野口さんらが乗り組む宇宙船は日本時間の今月15日午前9時49分に打ち上げられる予定で、国際宇宙ステーションに半年程度滞在する間、科学実験や地上向けの番組配信を行う計画です。

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