2023年01月13日
(聞き手:佐藤巴南 堀祐理 本間遥)
テレビのバラエティー番組を中心に活躍しているお笑いコンビ、ロッチの中岡さんとコカドさん。これまで数々の番組に出演してきた中では、空回りをしてしまい、うまくいかなかったこともあるといいます。
そんな2人に、失敗してもめげない気持ちの切り替え方を教えてもらいました。
学生
堀
自分の思っていることをうまく伝えられず失敗しちゃった経験ってみんなあるんじゃないかと思いますが、お二人はうまく自分の考えを相手に伝えることって得意ですか?
コントで笑いを交えて伝えるのは得意かもしれないですね。
ロッチ
コカドさん
でも、笑いがなかったら、自分の考えを相手に伝えるのは恥ずかしかったり、傲慢に思われへんかとか考えてしまうので、素の自分だったら得意じゃないです。
中岡さんもコカドさんも実はお笑いの仕事から離れていた時期があるんだそう…。教えて先輩!ロッチ 中岡創一さん・コカドケンタロウさん(前編)はこちらからご覧ください。
学生
佐藤
少し、意外です。
学生
本間
中岡さんはどうですか?
伝えたいことが伝わらないとか、がんばってもうまくいかなかったという経験はありますか。
あります。空回りしてるみたいなね。へこみますよね。
ロッチ
中岡さん
どういう時だったんですか?
さんまさんがやっている民放の番組に出させてもらった時に「がんばらなあかん」ってスイッチ入れて行ったんですけど、もう空回りも空回りで…。
この時はあまりにもへこみ過ぎて、自分の車でスタジオに来ていたことを忘れてタクシーで帰ってしまいました。
え~!
ほんで、ちょうど戻ってる時に、一緒に出演した先輩から「ちょっと反省会やってるからおいで」みたいな連絡があって。
合流してみたら、めちゃめちゃウケてた先輩たちが反省してたんです。
僕はその話を聞いてるだけでつらくなって鼻血が出てきた。
なんもやってないのに、ダラーって。
みなさんも面接とかでうまくいかなかった時、そんな経験あります?
うまくいかなかったことはたくさんありますけど、鼻血は出ませんでした…(笑)
そのあと、どう気持ちを切り替えたんですか。
もう、次の出番があった時にがんばったんですね。
その時はプレッシャーを感じなかったんですか?
もちろんありましたけど「鼻血出たんすよ、この番組は体に悪いんや」って話をして、なんとかやりきることができたんです。
すごいです!つらい経験を次につなげることができたんですね。
一度失敗して終わりちゃうからね。次、がんばるしかないですよ。
あんまりそこらへんで落ち込まない。
もう終わったことを考えてもしゃあないからね。
でも絶対、頭のどこかに「失敗しちゃったな」って考えが残ってしまいませんか?
もうどうにもならへんことやから、考えてる時間がむだだと思うし、特に考えない。
そうやね。ほかの楽しいことしたほうがいいやん、って切り替える。
そういう切り替えが大事なんですね。
お二人は舞台に出る前とか、緊張をほぐすためのルーティンはありますか?
僕はありますけど、一応。
緊張してる時って酸素が足りてないんですよ。
だから思いっきり息を吸ったあと10秒間息を止めて、そのあと「うーっ」て吐くことを心がけています。
それで緊張が解けますか?
ルーティンですから、緊張が解けるというより「よし、これやったから大丈夫」ってなる。
酸素入れたって思うだけでほっとしますよ。
あとは「うーいーうーいー」を繰り返す。
はい、ちょっとやってみてください、「うーいーうーいー」。
うーいー。うーいー。
自然と口角が上がって笑顔になりませんか?
はい、なんだか楽しいです。
僕は緊張のドキドキを、「うわ、すげえ興奮してるやん、わくわくしてるやん」ってプラスの方向に捉えるようにしているかな。
なるほど!
お仕事に対してすごく前向きに取り組まれている印象ですが、お二人にとって「働く」とはどういうことですか?
なんやろな。難しい…。
働くとは…。
うーん…こういう感じかな。僕は「気付けばやってたこと」。
そのこころは?
僕はお笑いを仕事としてやり始めたわけじゃないから。
高校の部活動みたいな感じでやり始めて、そのまま何も考えんとやり続けていったら仕事になってたから。気付けばそうなってた。
中岡君とコンビ組んだのも、一緒に沖縄旅行をした時の3泊4日が楽しくて、こんな日が続けばいいなと思ったのが理由だから。
素敵です!
それが結果、働くってことになってたから、自分の場合は特殊やと思う。
好きなことと仕事の垣根がなかったんですね。
そうですね。ホンマに好きな事やってたら結果的に仕事になってた感じやから。
中岡さんは「誰かが喜んでくれる事だ」と書いていただきました。
あるとき、親父にこんなことを言われたんです。
「俺がやってる鉄鋼業の仕事は、世界の人が喜ぶスケールがでかい仕事なんやぞ」と。
俺のネジ1本で、安全が確保できて、世界中のみんなが喜んでくれる、みたいなね。
働くって自分の事になりがちですよね。
でも、こういう考え方すると、どんな仕事も誰かに喜んでもらうためのものなんだなというのを教わったんです。
いい話でしょ?
心にしみました!
僕が言ったというより、お父さんが言ったことですね。
(笑)
最後に、この記事を読んでいる就活生へのメッセージをお願いします。
今はね、就活が一生で1番大事なことかのように思ってるかもしれないですけど、すごい長い人生の1個の出来事だと思います。
自分の持ってる力以上のものは出せないと思うし、あんまり考えすぎず、自分の思っていることを素直に語ってもらいたいですね。
自分を大きく見せすぎてもあとでしんどくなると思うし、もうちょっとだけ、気持ちを楽にしてやってもらえたらいいんじゃないかと。
たとえ行きたいと思っていた会社に縁がなかったとしても、そのつらい気持ちがプラスになっていくような気がします。
だから、落ちても受かっても人生のプラスだと思ってほしいです。
へこむこともあると思いますが、がんばってもらいたいと思います。
ありがとうございました!
ロッチのお二人が悩める人々を救うお悩み相談番組。山口大学の小川仁志教授に世界の有名哲学者の考えを伝授してもらいながら、解決のヒントを探します。※放送後一週間見逃し配信
撮影・編集 谷口碧
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