「コロナテロ」「親の顔がみたい」。これは、新型コロナウイルスの感染者に向けられたことばです。SNS上には、感染した人を特定する投稿が相次ぎ、事実と違うデマまで流れるなど、差別やひぼう中傷がなくなりません。各地で助けを求める声が相次いでいます。なぜ、感染した人を責め立てる事態がおきるのでしょうか。
保育教諭が感染し、ひぼう中傷を受けた認定こども園があります。 子ども園は混乱を防ごうと、感染の事実やその後の対応をホームページで速やかに公表しました。 すると、その翌朝、電話が鳴りやまなくなりました。 その数は、2日間半で40件以上にのぼりました。 園長は、その内容をノートに書き残していました。
「職員としての自覚が足りない」。
「身勝手」。
「バカ」。
さらに、電話が落ち着き始めたころ、今度は「感染した保育教諭が自殺した」というデマが流れていることを知りました。その後、保育教諭は、職場に復帰し気丈にふるまっていたものの、やつれたように感じたといいます。
「人格を否定といいますか。なんでここまでっていうのは正直ありました」(園長)
なぜ、感染した人たちを責めたててしまうのか。 社会心理学が専門で大阪大学大学院の三浦麻子教授は、こうした行為は不安の裏返しだと分析しています。
「身近にかかっている人がいると、その人と自分は違うのだと思いたい。
かかった人は、きっと何か原因があるとか、悪い人なんじゃないかみたいに片づけてしまうと、自分はそんなことはないから大丈夫かなと思いたいがために人を責めてしまうということがある」
そのうえで、次のように指摘しています。
「コロナ感染下のような緊急時こそ、人はまず冷静になることを心がけたほうがいいと思います。
自分が慌てたり不安になったり非常に恐れているような時こそ、冷静になることが大事だということがひとつ。もうひとつは、人間っていうのは、そういう時に恐怖とか不安にあおられて何も考えなしに行動したりすると、
よくない結果を招いてしまうことがあるんだよってことを知っておくこと。
冷静になることと、人間ってそんなもんなんだよって知っておくこと。
この2つがとても大事だと思います」
2020/11/09
コロナに限らず、人が何か不都合な事を起こした場合に、以前であればお互い様だから… という労りの心が日本人にはあった気がする。 いつ、自分が迷惑を掛ける立場になるとも限らないから、そんなに責められないという気持も働いていた。今、皆が余裕がなく反対の立場になったらどんなにつらいか想像出来ても歯止めの効かない人が増えた。SNSという顔の見えない世界だけでなく、学校や職場にもそれは蔓延している。コロナの場合は、ある程度政府の責任とも言える。混乱していたとはいえきちんとした対応や情報の提示、なった時に保健所で追い返される事案など、社会に不安が拡がった。今度の冬こそは、政府主導できちんとしたマニュアル、国民への分かりやすい説明、検査を受けやすくするなど国としてやるべき事をきちんと成して欲しい。
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