2023年2月10日
シリア トルコ

【トルコ 地震ルポ】続く懸命の救助作業、悲痛な被災者の声も

地震から丸2日となった8日、トルコの被災地には「JAPAN」と書かれたオレンジ色のユニフォームを着た人たちの姿がありました。

彼らは、日本から派遣された国際緊急援助隊の隊員たち。

甚大な被害を受けた街の1つ、南部カフラマンマラシュで捜索活動に当たっていました。

援助隊は、警察、消防、海上保安庁の職員たちで構成され、7日に先発隊の18人が現地入りして夜通し捜索活動に当たりました。

その後8日午後には、本隊が合流し、合わせて73人で捜索活動を続けています。

現地で話を聞いた、国際緊急援助隊救助チームの山本英昭団長は、次のように話しました。

国際緊急援助隊救助チーム 山本英昭団長

「非常に大きな地震で、国際的な支援が必要です。余震もあり、厳しい状況ですが、被災者に寄り添った支援をしていきたいと思います」

8日、救助隊は壊れた4階建てのアパートに10人以上が取り残されているという情報をもとに、捜索活動に当たっていました。

がれきの中からかすかな声が聞こえたという住民からの情報があり、隊員たちは、重機を使わずにがれきを破壊することのできる器具を使いながら、慎重にがれきを取り除いていました。

取材していると、捜索活動の近くで、心配そうな表情を浮かべる男性がいることに気付きました。

このアパートの1階に住んでいた、ハミド・ファティーブさん(23)でした。隣国シリア北部のアレッポ出身で、家族とともに祖国の内戦を逃れてきた、シリア人の避難民です。

ハミド・ファティーブさん(左)

ファティーブさんは、地震が起きた直後に飛び起きて、崩れそうになったアパートから慌てて飛び出したそうです。

しかし、外に出てみると、ほかの家族の姿はありません。両親と弟と妹の7人が、下敷きになっていると話していました。

「けさも倒壊したアパートの中から声や音が聞こました。まだ必ず生きているはずです。なんとか救助してほしい」(ファティーブさん)

カフラマンマラシュでは、あちこちで建物が倒壊し、道路が塞がれていることも多く、救助隊の活動の大きな妨げになっています。

生存率が急激に下がると言われる、地震の発生から72時間が過ぎましたが、現地では今も懸命な救助活動が続いています。

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