勝利に導く決勝ゴール
2日の予選リーグ初戦、日本の相手はソチ大会とピョンチャン大会の初戦で対戦し、いずれも1点差で敗れたスウェーデンでした。
日本は第1ピリオドに小池詩織選手のゴールで先制。
しかし第2ピリオドの開始直後に同点に追いつかれました。
迎えた、最終第3ピリオド。開始4分過ぎでした。
力強いシュートを決めたのは浮田留衣選手。
一番苦しい局面でたった1つのチャンスを生かし、これが決勝点となりました。
“悔しさ”残った過去のオリンピック
身長1メートル70センチの恵まれた体を生かした突破力に加え、女子選手では屈指のシュート力を兼ね備える浮田選手。
2014年のソチオリンピックの代表にはチーム最年少の17歳で選ばれました。
「フォワードは、点を取ることが一番」
小さいころから、自分の役割を聞かれると浮田選手はそう答え続けてきました。
しかし、ソチ大会では思ったような活躍ができず、チームは1勝もできませんでした。
2回目のオリンピックとなった2018年のピョンチャン大会。
この時はエースとして期待されていました。
ですが、浮田選手は反則で出場停止処分を受けるなど、満足な結果を残せませんでした。
“絶対に取り返す”
悔しさを胸に抱いたまま浮田選手は北京オリンピックまでの4年間は、チームの攻撃の要という自覚とともに、技術と体力、それに精神面でも磨きをかけました。
そして3回目のオリンピックとなった北京大会。代表チームの中で、得点が期待される第1セットを任されました。
「自分じゃなくてもいい。このセットで絶対に1試合1点はとる」
そして初戦のスウェーデン戦。
そのことばどおりに、浮田選手は勝ち越しゴールを決め、チームを初戦勝利に導きました。
「私が出場しているときに失点してしまったので、絶対に取り返すという気持ちでプレーした。点を取れてよかった。初戦はいい流れに乗るためにすごく大事な試合だったので勝ち切れてよかった」
“ゴールに貪欲に向かって”
試合後、浮田選手は笑顔でみずからのゴールシーンを振り返りました。
目標とする決勝トーナメント進出について尋ねると、真剣な表情に戻り、言葉を続けました。
「“惜しい”という場面がすごく多い。それを卒業しないといけない。自分たちがやらなければいけないという責任を持ってゴールに貪欲に向かって、スコアしていきたい」
これまでの2大会は納得がいかなかったという浮田選手。その悔しさを、初の決勝トーナメント進出へとつなげるという決意を新たに、大型フォワードはゴールを狙い続けます。