ボールを触っているだけで楽しい サッカーが好きという気持ちが今の自分を支えてくれている

小野伸二

サッカー #迷っているとき

北海道コンサドーレ札幌のミッドフィルダー、小野伸二。
J1最年長の43歳。

Jリーグが30周年を迎えることし、1月の沖縄キャンプでは、10歳以上も年が離れた選手に交じって準備を進めるプロ26年目の小野の姿があった。
印象的なのがボールを使った練習中に見せる笑顔だ。

「ボールを触っているだけで楽しくて笑顔が出てしまうので、本当にサッカーが好きなんだなと感じる」

Jリーグ発足から5年後の1998年。
“天才”と脚光を浴び、高校卒業後すぐにJリーグの舞台に立った小野。

日本代表や海外で長くプレーし、足元の高い技術を生かした華麗なプレーで見る人を魅了し続けてきた。
しかし“不惑”と呼ばれる年齢を過ぎ、昨シーズンは激しいポジション争いの末、リーグ戦の出場は、わずか1試合にとどまった。
それでも小野は現役にこだわった。

「なかなか試合に携わることができなかったという意味ではプロなので進退についても少し考えなきゃいけない部分もあるのかなという気はするけど、サッカーが好きという気持ちが今の自分を支えてくれている」

そんな小野の背中を押してくれるのが、同じ静岡県出身のカズ、三浦知良の存在だ。
三浦は56歳の今シーズン、ポルトガルのリーグに挑戦している。

「カズさん、試合に出たのかなとか、毎回、気になる。試合に出たら本当に点取っちゃいそうだし。僕にとっても、すごくいい刺激になる」

小野は、29年前にジーコさんが41歳3か月でマークしたJ1最年長ゴールの記録更新にも意欲を見せる。
「1試合でも多く、その可能性が広がるように自分もいい準備をしてチャンスが来たら狙いたい」

Jリーグが始まった1993年。
あの盛り上がりを肌で感じ、プロサッカー選手を夢みた小野少年。
30周年の節目のシーズンに現役選手として再び輝きを放つ。

「Jリーグができたおかげで、こうやってプロとしてサッカーができる。当たり前じゃない環境の中でプレーさせてもらえる幸せをかみしめながら、いいシーズンだったと思えるように頑張っていきたい」

サッカー #迷っているとき