その番号が日本代表にとってどれほど重要か理解している

南野拓実

サッカー #自分を奮い立たせたいとき

サッカー界における背番号「10」。

それは特別な意味を持っている。
世界ではアルゼンチンのメッシやブラジルのネイマール、フランスのエムバペなど各チームのスター選手が背負う。

日本では、中村俊輔や香川真司、名波浩など歴代の中心選手がつけてきた。
ワールドカップカタール大会、日本代表でその番号を背負うのが南野拓実だ。

その重みについて聞いてみた。

「あまり考えないようにしているのが正直な気持ちだ。でも僕自身、その番号が日本代表にとってどれほど重要かというのは理解している」

率直な思いを隠さずに口にする一方で、しっかり前を見据えて話す姿からは、期待に応えようとする覚悟がにじみ出ていた。自分の中で築きあげてきた「10番」像があるという。

「10番はファンタジスタといったイメージが強いと思うが、現代サッカーの中では、いろいろなタイプの10番がいる。僕自身は泥臭いプレーをいとわない部分やチームのためにしっかり守備をしながら攻撃にもどんどん関わっていく。そういう部分が長所だと思っている」

日本代表では44試合に出場し、17得点をマークするなど攻撃の中心として華々しく活躍してきたが、追い求めてきた「10番」像はチームの勝利のために、あくまで地道に、そして献身的にハードワークすることだった。
そこにはワールドカップへの切符をつかめなかった仲間たちへの思いも込められている。

「いままでいろいろな壁を乗り越えてきた仲間がいるし、サバイバルの中で代表に選ばれなかった選手たちもいる。選ばれなかった選手たちへの責任感をすごく感じる」

南野自身、今シーズンは決して順風満帆ではなかった。
フランス1部リーグでなかなか出場機会に恵まれないなど苦しみも味わったが、そこでも地道に、献身的にチームを支えながら得点やアシストをマーク。ワールドカップを前に徐々に調子を上げてきた。世界のスターとは違うかもしれない。それでも10番を任せられた27歳は自分らしい姿で日本を引っ張る覚悟だ。

「自分の長所をどうやったら出していけるか考えながらプレーしていきたい。日本がいままで到達できなかったところまで行きたいと僕自身もすごく思っているし、やっぱり歴史に残るワールドカップにしたい。そのために頑張りたい」

サッカー #自分を奮い立たせたいとき