何も失うものはないと思っているし、思いきって勢いに乗ってプレーするだけ

町野修斗

サッカー #迷っているとき

11月7日の夕方、湘南ベルマーレの町野修斗が自宅でくつろいでいると携帯電話が鳴った。ベルマーレのチームスタッフからの連絡は日本代表のメンバー入りを告げるものだった。事前にバックアップメンバーとして心構えをしていたが、いざ知らせを聞くと「本当に驚いた」という。

「ワールドカップは夢の舞台だったので、まさかこういう形で行けるとは思っていなかった。本当に夢がかなった瞬間だった」

けがをした中山雄太に代わっての選出。
27人目の男が目標の舞台の切符をつかんだ瞬間だった。

町野は会見で驚きと喜びが入り交じった心境を口にした。そして、これまで味わった悔しさが自分自身を成長させてくれたと振り返った。高校卒業後、2018年にJ1の横浜F・マリノスに加入した町野。しかし、公式戦の出場はなく次のシーズンはJ3のギラヴァンツ北九州に移籍した。

「F・マリノスから出たときは苦しくて悔しい気持ちでいっぱいだった。もう一度、J1でやりたいという反骨心がこういった結果につながったと思っている」

悔しさを胸に地道に力をつけていった町野は今シーズン大きく飛躍。1メートル85センチの長身を生かしたヘディングや左右どちらの足でも得点を奪える高いシュート技術でJ1の得点ランキングで2位となる13ゴールをマークした。
ワールドカップでも、その得点力が期待されている。
町野自身も冷静に自身の役割を分析する。

「僕はストライカーなのでゴールを期待されていると思う。守備や走る部分でもチームでやってきたことをいつもどおり出していきたい」

そしてJ3から這い上がってきた23歳のストライカーは目標を問われると、力強く語った。

「何も失うものはないので思いきって勢いに乗ってプレーするだけだ。1日目からアピールして試合に出られるように頑張りたい。そして試合ではゴールを貪欲にねらい、ワールドカップで3得点したい」

サッカー #迷っているとき