アスリート×ことば

僕のスケート人生においてオリンピックは区切りではない

僕のスケート人生においてオリンピックは区切りではない

宇野昌磨 フィギュアスケート

4年に一度、その一瞬、その数分間に集中し、すべてを投げだす。
そのエネルギーがほかの選手と比べて少ないことは決してない。
いや、むしろ誰にも負けないといううちに秘めた情熱は、冷静になろうとすればするほど伝わってくる。

北京オリンピック、フィギュアスケートの男子シングルで銅メダルを獲得した宇野昌磨。2大会連続のメダルを手にした翌日の会見だった。

「僕のスケート人生において、オリンピックは区切りではない」

オリンピックを控えた2021-22年シーズン、宇野は“世界のトップ”を目指すと誓いトリノオリンピックの銀メダリスト、ステファン・ランビエールコーチとともに、いま跳ぶことのできる4種類の4回転ジャンプをすべて組み込んだ自身にとって最高難度の構成に挑んだ。

その構成で臨んだ北京大会のフリー。
4回転ジャンプにミスが続いた。思い描いた演技ではなかった。
それでも、銅メダルを獲得できたのは、成長を求め歩みを止めなかったからだ。

「この4年間でいろんな経験を得て、またここまで戻ってこられるとは思っていなかった。前回と同じようにメダルセレモニーの場に立った。あの時よりもすがすがしいというか、ちょっと4年前とはまた違う気持ちだった。僕は4年前よりも、価値のあるメダルだと考えている」

「僕のスケート人生において、オリンピックは区切りではない」ということばには続きがあるー

「終わってからまた4年間という考えよりも、僕は次の(3月の)世界選手権までにより成長していたい。来年にでも自分にできること、すべてに挑戦して、確率も精度も完成度も上げていきたい。まだまだ僕は成長し続ける、成長し続けたい」

4年に一度、世界が注目するビッグイベントさえも通過点と言い切れるようになったことが今の宇野の強さだ。
だからこそ、銅メダルでも悔いは無い。
いや、ただ一つ、北京には心残りがあるという。

「フリーのボレロをステファンコーチが満足するような、よかったって言ってもらえるような演技ができなかった」

あくなき向上心はとどまることを知らない。