自分が活躍して野球をする人が増えてほしい

平良海馬

野球

東京オリンピック日本代表の内定を受け、21歳の平良海馬は素直に喜びを語った。

「正直実感はあんまりないけど、選ばれてうれしいです。夢のようです」

沖縄 石垣島出身の平良は八重山商工からドラフト4位で4年前、西武に入団。身長1m70cm、体重100キロのどっしりした体格から最速160キロのストレートを投げ込む。2020年は54試合に登板して防御率1点台をマークし新人王に輝いた。
その結果に満足せず、平良は投げる試合すべてで得点を与えないため、変化球をさらに磨く決意をした。オフからキャンプにかけて自費で購入したボールの軌道や回転数などを計測する機器を活用し、1球1球、自分にとってのベストなフォームを模索した。

確かな手応えをつかんで迎えた今シーズン、平良が投じる球種の割合に変化が出ている。2020年シーズンはストレートが全体の50%以上を占めていたが、2021年は逆に変化球が50%以上になった。
このモデルチェンジを経て開幕から圧倒的なピッチングを続け、プロ野球新記録となる39試合連続無失点をマークした。

「プロ野球史に名前を残せたということはうれしいです。おととしから1軍に上がって、たくさん打たれて、負け投手にもなって、そこから調整とかがだんだんわかるようになってきて、自主トレからやってきたことが シーズン中も継続できているのが、一番の要因だと思います」

そしてヤクルトの村上宗隆と並んで最年少の21歳で東京オリンピック日本代表のメンバーになった。シーズンが始まる前には「まったく想像できなかった」というアスリート憧れの舞台。活躍はもちろん目指すが、平良の思いはそれだけではない。
新型コロナウイルスの影響で、野球から離れていく子どもたちがいることを知り、自身のピッチングを通して少しでも希望を届けたいという。

「コロナで野球から離れてほしくないので、やっぱり自分が活躍してこういう選手になりたいって思ってくれて、野球をする人が増えたりとか、継続できたりっていうことがあったらいいと思っています」

そのうえで試合での活躍を誓った。

「いつもどおりのピッチングでまずは楽しむことですね。ただ、ランナーが出ても粘って 最終的には0点というところにこだわってやっていきたいです。自分の出る場面が来れば、やっぱり100%の仕事できるようにこれから準備して、金メダル目指して頑張ります」

野球