一番大きな大会に出たい

星野陸也

ゴルフ

「インタビュー足りてますか?なんならもっと話しますよ」

白い歯を見せながら話す雰囲気は実に柔和だ。
しかし、クラブを持つとその様子は一変する。
1m86cmの長身から繰り出す豪快なドライバーショット。300ヤードを超える、その飛距離は海外の選手と比べても見劣りしない。2021年は得意のドライバーショットに加え、アイアンによるアプローチの精度も向上し、国内ツアーで6月までに2勝。

海外メジャーの全米オープン選手権では、自身海外メジャー初の予選通過で26位に入り、世界ランキングで日本勢2番手となって東京オリンピック代表の座をつかんだ。

「リオデジャネイロ大会でゴルフがオリンピック競技に復活してから、頑張ればオリンピックに出られると思い、すごくわくわくしていました。去年から世界ランキングも上がっていって、何とか2番手に滑り込みたいなと思っていました」

マスターズ・トーナメントなどの海外メジャーを筆頭に、オリンピック以外にも目標とする大きな大会が多いゴルフでは、賞金がかかるツアーを優先する選手も多い。だが、星野は違う。
オリンピックに出場するには、「ことし最低2勝」が必要だと目標を立て、それを着実に達成してみせた。目標を立ててそれを目指す姿に揺るぎはない。

小さいころから水泳やサッカー、卓球などさまざまなスポーツに取り組んできた星野にとって、オリンピックは、海外メジャーに匹敵する特別な夢の舞台だ。

「小さいころから見ていたオリンピックの舞台に憧れていました。僕自身の中ではスポーツの中で一番大きな大会。ことしは自分の母国で開催されるし、絶対に出場したいと思っていました」

東京大会の会場は、地元の茨城からも近い埼玉で開催される。そこで見せたいのは世界のトップ選手たちと肩を並べて競う姿だ。

「外国選手にも引けをとらないドライバーの飛距離を見てもらえたらと思っています。出場するからには金メダル狙います」

あくまで柔らかい雰囲気で目標を語る、星野が目指す先は揺るがない。

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