笑顔や幸せになれる何かがパラリンピックにはある

マッケンジー・コーン

パラ競泳

笑う、驚く、真剣に語りかける。
ころころと変わる表情が、マッケンジー・コーンの魅力だ。いつも笑顔を絶やさない姿から“スマイル・クイーン”と呼ばれる彼女は、アメリカのパラ競泳を代表する選手だ。
病気で骨がもろく、これまでに骨折した回数は実に50回以上。それでも身長1m30cmの体をいっぱいに使った力強い泳ぎで、リオデジャネイロパラリンピックでは3つの金メダルを獲得した。

「パラリンピックの舞台では、私はトップアスリートとして金メダルを獲得する夢を追い求めることができるし、不可能なことはないと多くの人に示すことができる」

コロナ禍で練習拠点としていた大学のプールが使えなくなり、2か月ほどは自宅のガレージに簡易プールを設置して泳ぎ込みを続けた。

「振り返ってみれば、それはそれで楽しかった」

苦しい練習環境ですら笑顔でそう振り返る。
開催の賛否が分かれる状況や、日本のコロナの現状は耳に入ってはいるが、それでも東京大会には“希望”があると力強く話した。

「とても暗い日々が続いている中で、私たち人間には、笑顔や幸せになれる何かが必要で、それが東京パラリンピックだと思う」

パラアスリートが活躍する姿は、人間の可能性が無限だと示すことができる。
それはオリンピックのアスリートよりもはるかに。

「このパンデミックを乗り越えるだけでなく、障害や障壁が目の前にあっても、可能性を追求できることを人々に示せる。東京パラリンピックのメダルに込められた意味は、さらに大きなものになった」

新型コロナによって大きく変わった世界に“希望”を届ける。
その役割は“スマイル・クイーン”にこそふさわしい。

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