ベストを尽くして頑張っていれば 必ずチャンスがめぐってくる

大坂なおみ

テニス

2019年1月26日。全豪オープンテニス、女子シングルス決勝。
大坂なおみが、日本選手初となる2大会連続2回目の四大大会制覇に挑んだ。

「ストレスをためずに楽しみたい。
テニスはゲームなので、これを心がけることが大切かなと思う」

大会前、みずからに言い聞かせていた大坂だったが、決勝は想像を絶するようなストレスとの戦いとなった。
タイブレークの末、第1セットを取った大坂。第2セットもリードしチャンピオンシップポイントを迎えたが、そこで流れが変わる。4ゲームを連続で奪われ、第2セットを落としてしまう。
試合中にも関わらず涙ぐむ大坂。すっかり感情を乱され冷静さを失ったかのように見えた。

「だめかもしれないと思った。
休憩をとり、新しい気持ちでスタートした。
後悔したくない、やるしかないと思った」

最終第3セット。大坂が精度の高いストロークで息を吹き返す。
感情を表に出さず自分自身のプレーに集中した。
そして第10ゲーム、再びのチャンピオンシップポイント。
大坂が強烈なサーブを打ち、相手のリターンはアウトに。この瞬間、2時間27分の熱戦が決した。
ラケットを手にしたままコートにしゃがみこんだ大坂。
ストレスをはねのけ、みずからの感情をコントロールしてつかみとった栄冠だった。

「ベストを尽くして頑張っていれば、
どんな局面でも必ずチャンスがめぐってくるということを学んだ」

快挙の達成、それ以上に大坂のメンタルの成長を強く印象付けた一戦だった。

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