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企業が社員に研修を行う際、「VR=バーチャルリアリティー」を取り入れている会社があります。どんな効果があるのでしょうか?
警備会社 ビルの点検ポイントをVRで研修
社内研修にVRを取り入れている大手警備会社。座学で伝えるのが難しい作業などを習得してもらおうと、警備で巡回するオフィスビルなどをもとに360度の映像を用意しました。研修を受ける人が、点検するべきポイントを所定の時間内に漏れなく探し出せるかを試します。
例えば、窓です。「鍵が開いたままになっていないか」を確認し、コントローラーでチェックします。
また電球が切れていないか、消火器が正しい場所に設置されているかなども確認します。
中には…
会議室の床にかばんが置かれたままになっています。忘れ物や不審な物を発見する力も養うことができます。
点検するべきポイントをいくつ見逃したか確認することができて、理解が不足している部分が分かるといいます。
研修でVRを体験した社員の1人は「ゲーム感覚で堅苦しくなく、楽しく、すっと入ってくるような研修だった」と話しました。
大手警備会社 研修部 佐藤景 部長
「座学ならびに実機を用いた訓練ももちろんあるけれど、VRを加えることでより有効性が高まる」
鉄道会社 安全徹底へ過去の事故をVRで体験
VRを活用して社員の安全意識の向上につなげようという取り組みもあります。大手鉄道会社は、脱線事故の現場を追体験する研修を行っています。
川崎市で2014年2月、回送列車と資材を運搬する作業車が衝突した事故では、安全管理に関する指示が不十分だったことなどから、運転手と車掌がけがをしてダイヤにも乱れが出ました。
会社は、現場にいた作業員の証言をもとに、事故が起きるまでの状況を再現しました。
当時、現場には作業車を誘導する責任者がいました。VRではその責任者の視点に立ち、現場の様子をよりリアルに感じ取ることができます。
このVRを体験した社員の1人は「衝突するまでの時間の短さをすごく改めて今回感じることができた」と話しました。
鉄道会社 川上麻紀夫さん
「現場では、手続きの誤りとかミスをすると本当に命にかかわってしまう。VRの中であれば失敗をしっかりと経験にできるということがあるので、こういった訓練で生かしていきたい」
【2024年4月30日放送】