スポーツがうまくなりたい!AIを活用した動画サービスを導入する施設が相次いでいます。スキー、スイミング…。自分のプレーを撮影して見ることで、上達につながると好評です。
スキー場で滑走 動画で確認
長野県の奥志賀高原にあるスキー場はここ数年、客の減少に悩まされていて、来場者数はピーク時の4分の1ほどだといいます。生き残りをかけ、今シーズンからAIを活用した動画作成サービスを導入しました。
すると、ゲレンデ全体を撮影している4Kカメラの映像からAIが対象者を追尾します。
対象者が常に画面の中央に映る動画が作成され、無料で見ることができます。
このサービスを使ったスキーヤーの一人は「すごい機能ですね、これ。もっとうまく滑っていると思ったけど、動画で見るとまだまだだなと。練習になる、本当に」と話していました。
この動画は有料でダウンロードすることもできます。さらに追加料金を払うと専属のインストラクターに見てもらい、細かいアドバイスを受けることもできます。
このサービスは多い日には60回ほどの利用があるということで、スキー場はリピーター獲得の武器になると期待しています。
スキー場運営会社 塚本健樹 社長
「ただ滑るだけじゃない。何かプラスアルファの付加価値がある。お客様のニーズに合わせたサービスの導入と提供、そういったことが今後必要だ」
スイミングスクール AI動画で差別化ねらう
子どもに人気のスイミングスクールでも、AI動画でほかの施設との差別化を図る動きがあります。東京・墨田区にあるスポーツクラブのプールには、11台のカメラが設置されています。
カメラが撮影した映像から特定のレーンで泳ぐ人をAIが検知し、最適なアングルの動画を自動で編集してくれます。
スイミングスクールではこの動画を、進級テストが終わったあとなどにコーチから生徒への評価を伝えるフィードバックに活用しています。
映像は対象の生徒以外にはボカシがかけられ、プライバシーに配慮しています。
生徒の親の一人は「『よし、これからもっと頑張るね』という(子どもの)反応を見られると、親もとてもうれしく感じている」と話していました。
AI動画を提供する企業 中村美奈子 課長
「子どもが自分の泳ぎを自分で確認して、みずから課題に気づいて練習に取り組む姿勢とか、スイミングの上達だけでなく、子どもの成長にも貢献できるといいなと思っている」
スポーツクラブでは、水泳教室で導入されたこのサービスをほかのスポーツにも広げることを考えているということです。
撮影や編集など同じことを人がやろうとすると相当手間がかかります。AIがやってくれるなら、こうした動画を気軽に利用する動きが広がるかもしれません。
【2024年2月19日放送】
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