コロナ禍で市場拡大 ペットサービス最前線

ペットや関連用品のホームセンターでの販売額は、コロナ禍でペットと過ごす時間が増えたことなどを背景に、2020年から大幅に増えています。市場が拡大する中、ペットに関する新しいサービスが登場しています。

ペットが人間のことばでしゃべったら…

東京都内にあるAIを扱うベンチャー企業「EmbodyMe」は8月、自分のペットと会話を楽しむサービスの提供を始めました。

利用者はまず、自分のペットや、実際には飼っていなくても飼いたい動物の写真を1枚選びます。そして名前や性格などを設定すると、生成AIが自動で会話の内容を作成し、音声ソフトで“ペットの声”にします

例えば「飼い主と遊ぶのが大好き」と設定し…
「どんな遊びが好きなの?」と質問(社員によるデモンストレーション)
「散歩したり走ったりするのも楽しい」とも。

さらに「飼い主がかまってくれない時はどうするの?」と問いかけると、「かまってくれない時は、少しさびしくて“ふて寝”したりします」と答えていました。

画面上のペットは、ことばに合わせてリアルタイムで表情が変化します。

このサービスは無料で楽しむプランもあり、自分のペットと会話してみたいという人や、ペットを飼いたくても飼えない人などが利用しているといいます。

ベンチャー企業 吉田一星CEO
「写真1枚からできるというのが非常に大きなポイント。新しいペットとのかかわり方の一つではあるのかなと思う」

犬と楽しむバスツアー

ペットと一緒に楽しむツアーも最近、人気を集めています。東京都内の観光バス会社「B・I・G」は、これまで旅行に連れて行くのが難しかった大型犬でも快適に乗れる専用のバスを開発し、ツアーを企画しました。

このバスは前後の座席との間隔を広げ、1組で従来の約4席分のスペースを使えるようにしています。

また、ほかの犬を気にしたり、ほえ合ったりしないよう、ロールスクリーンで座席と通路を仕切れるようになっているほか、床に滑らない加工をしてあり、犬が安心して歩くことができます。

座席を仕切るロールスクリーン

専用バスの乗り心地について、利用客の一人は「すごく居心地がいい。ここ(座席)も広いし」と話しました。

また大型犬を連れて参加した人は「(犬が)まっしぐらに乗って、すぐ(座席に)座っちゃった。小さい車だと怖がるけど、大きい車だとリラックスしている」と話していました。

取材した日は埼玉県飯能市のテーマパークを訪れました。ツアーでは犬と一緒に楽しめる公園や観光地を訪れます。バスは週3回ほど運行していて、土日はほぼ満席になるそうです。

ペットと一緒に食事を楽しんだ利用客は「(ふだんは)行きも帰りも運転だし、当然お酒も飲めない。ワンちゃんの様子も車を運転していると分からないが、きょうはよく分かった」と話しました。

運転を気にせずペットと食事を楽しむ利用客も

観光バス会社 萩原正規 社長
「犬と一緒にどこでも行けるというコンセプトのもとで全国的にこういったバスを普及させられればと思っている」

ペットに関するサービスはほかにも、航空会社が飛行機で隣の座席にペットを乗せて一緒に旅をしてもらうサービスを始める動きもあります。
【2023年9月19日放送】
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