ペットの犬や猫と一緒にオフィスに出勤。海外のIT企業などでよく聞かれるワークスタイルが今、日本でも広がり始めています。
ペットが生むシェアオフィスの新コミュニティー
2021年9月に東京・中央区にオープンしたシェアオフィスです。利用者の部屋を訪れると、足元にはお座りしている犬の姿が。ここには犬や猫など自分のペットと一緒に仕事ができる専用エリアがあります。
利用者の一人は「心配になったり不安になったりイラッとすることがあっても、振り返ると(犬が)いてくれるのでなごむ」と話します。
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このシェアオフィスを運営する「東急不動産」は、ペットの存在が利用者のビジネスにもプラスになると考えています。
というのも、ペットがいると利用者どうしに自然とコミュニケーションが生まれます。これが新しいビジネスにつながるきっかけになるかもしれないと期待しているのです。
利用者の一人は「ほかのシェアオフィスをずっと使っていたが(ほかの利用者と)話をすることはなかった」といいます。別の利用者は「犬を通しておしゃべりがしやすい」と笑顔を見せました。
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運営会社 黒河健司主任
「お客様どうしのコミュニティーづくりという部分でペットがひとつのきっかけになれるのでは。ペットと一緒に働ける場というのは、新しい付加価値になるのではないか」
予防接種状況を登録
ペットとともに安心して利用してもらうための仕組みも導入しています。入室するペットは、専用のアプリに予防接種の状況を登録する必要があります。
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今後はアプリに「犬のしつけレベル」なども登録してペット同伴への理解を広めたいと考えています。
「保護犬」をオフィスに 収益で保護活動を充実
ペットを飼っていない人がオフィスで犬と触れ合うことができるサービスも始まっています。東京・港区のシェアオフィスでは週2日、犬がフロアにいる日をつくりました。利用者は追加料金を払って利用します。
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利用者の一人は「とても癒やされて楽しく仕事ができる環境」だと話します。
ここでは、気分転換に犬を連れて散歩に出かけることも可能です。
実はこの犬たちは、飼い主が飼育を放棄して捨てられた「保護犬」です。保護犬を派遣している会社「バディーズ」の代表で獣医師の寺田かなえさんは、保護活動に必要な資金を犬の派遣ビジネスで確保しようと、シェアオフィス側と交渉して実現させました。
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今後は、オフィスの利用者が気に入った保護犬を引き取る仕組みも整えたいということです。
寺田かなえさん
「犬たちを助けてあげているというのではなくて、犬たちからも癒やしをもらっているという価値を提供することで、その対価としてお金をいただく。必ずどちらにもWinがあるように考えている」
社会課題をビジネスで解決しようという動きが広まっていますが、これもそのひとつです。犬の派遣先が増えて収益が上がるようになれば、保護活動も充実できるということで、現在ほかの東京都内のシェアオフィスでも交渉を進めているということです。
【2022年4月12日放送】