ストローなどプラスチックによる海洋汚染が深刻な問題になる中、代替品に海藻を活用しようという取り組みが注目されています。
食べられる代替品 イギリスのスタートアップが開発
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ヨーロッパで行われたマラソン大会の給水所で、水分が入ったボール状のものが配られました。水をくるむフィルムは海藻から作られていて、丸ごと食べることができます。フィルムに味はなく、飲み物の味を邪魔しないそうです。
イギリス・ロンドンのスタートアップ企業「Notpla」が9年前から開発に取り組んでいます。
海藻を乾燥させて粉末状にしてから、ある処理を施してつくります。企業では調味料のパックなどにも活用し、プラスチック削減につなげたいといいます。
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さらに、テイクアウト用の容器にも海藻を使っています。容器の表面は通常、耐水性を持たせるためにプラスチックなどで覆われていますが、それを海藻で作った素材で代用しました。
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この容器は、土の中に捨てると最大6週間で分解されるということです。企業では、プラスチックは自然に分解されないという課題の解消につなげたいとしています。
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スタートアップ企業 ロドリゴ・ガルシア・ゴンザレスCEO
「いま必要以上に多くのプラスチックが消費されている。だからこそ、この問題に終止符を打ち、代替の方法を見つける必要がある」
海藻由来ストローで貧困解消を インドネシアの起業家
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海に囲まれ海藻が豊富にとれるインドネシアでは、海藻を使った新しい脱プラスチックの動きを貧困の解消にも役立てられないか、模索が始まっています。
起業家のライアン・デワンガさんは、専門家とともに海藻由来のストローの生産に成功しました。耐水性は約2時間で、味に違和感もないそうです。
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起業家 ライアン・デワンガさん
「海藻はインドネシアのどこにでもある素材。しかし、その可能性を最大限に引き出した商品は開発されていなかった」
ライアンさんが期待しているのは、貧困層が大半を占める海藻生産者の暮らしの改善です。ストローが普及することで海藻の売り上げが伸び、生産者の収入が増えると考えています。
ライアン・デワンガさん
「海藻製品の商品化に成功し社会からの需要が高まれば、(海藻を)安く買いたたかれずに収入を得られる。私たちは、いいものを作ればいい値段がつくということを生産者に伝えていく」
海藻を使ったプラスチックの代替品はコスト的には割高になるそうですが、環境意識の高い国へ販路を拡大するなどして量産化し、価格を抑えていきたいということです。
(ロンドン支局 松崎浩子、ジャカルタ支局 門田真司)
【2023年2月2日放送】
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