Z世代の経営者たち ビジネスで社会を変える

Z世代」は一般的に1990年代半ば~2010年ごろに生まれた10代~20代後半くらいまでの世代のことを言います。ネットやSNSを使いこなし社会的な課題に関心が高いといった特徴があると言われています。

そのZ世代の間で今、みずから事業を起こして社会を変えていこうとする人が増えています。

うずらプリンを販売する3人組 障害のある人の雇用を

東京・渋谷の商業施設で8月、門田凛太郎さん(21)ら都内の大学生3人組が期間限定の店を出しました。3人はみずからが代表を務める会社「ごきっちょー」で、うずらの卵を原料に使ったプリンを販売しています。

うずらは飼育が比較的容易だとされています。その飼育などを地域の障害者に担ってもらい、雇用の場を創出したいと考えています。

プリン販売 代表取締役 門田凛太郎さん
「障害のある方を支援するために、うずら農場を作ろう。今後事業を拡大していければ」

門田凛太郎さん

アパレルブランド運営する21歳 売り上げの一部をウクライナへ

アパレルブランド「BEEBAR」を運営する山野邉舜平さん(21)は、自分でデザインした服などを販売しています。多い月で売り上げは100万円。その数%をウクライナへの寄付にあてています。

アパレルブランド運営 山野邉舜平さん
「世界情勢だったり、貧困の方たちを自分の力で支援だったり、若い自分が行動することによって同世代の周りを巻き込めるんじゃないか」

山野邉舜平さん

ビジネス通じ価値観を発信

Z世代経営者の事業の中心はネットショップです。

ネットショップの開設サービスを手がける会社「BASE」の上級執行役員を務める山村兼司さんによると、手軽に出店できるというネットショップの特徴を社会の課題解決に生かそうという人が増えているといいます。

「自分の好きなこととか価値観を発信していくことが、当たり前になってきた中で、それを商売にしていこうと考えられる方(Z世代)が増えてきているんじゃないか」と話します。

草ストロー普及で環境意識を広げる 大学生経営者の挑戦

Z世代の発信が共感を呼んで普及し始めたのが、草でできたストローです。脱プラスチックを目指す約250の飲食店に導入されています。

導入した店の一つ「CITABRIA BAYPARK GRILL&BAR」の穴沢稔さんは「紙のストローだとふやけてしまう。何かないか探していた時に草のストローを見つけた」と話します。

このストローを販売するのは、Z世代の兄弟がつくった会社「HAYAMI」です。代表は弟の大久保夏斗さん(22)。都内の農業大学の4年生です。

草のストローを販売 代表 大久保夏斗さん
「高校生のころにSNSでウミガメの鼻にプラスチックストローが刺さってしまっている動画を見て、環境問題に興味を持ったのがきっかけ」

大久保夏斗さん

3年前、夏斗さんのお兄さんが旅行先のベトナムで植物の茎を乾燥させて作ったストローが使われていることを知りました。

これを日本で普及させようと起業し、現地のメーカーと交渉して輸入販売を始めました。

草でできたストローを使うことが、脱プラスチックだけでなくベトナムの農村の支援にもつながると発信。支持が広がり顧客が増えているのです。

大久保さん
「われわれがどういう思いで販売しているか、ストーリー性をお客さんに知っていただくことで、より理解を深めて購入につなげていただく。環境に貢献できるようなきっかけを与えられたらいい」

Z世代は「こんな社会問題があるんだ」と知るだけで終わらない行動力、そしてどんな情報をどう発信すれば相手に届くのかという発信力にたけていると感じます。Z世代のビジネスが社会をどう変えていくか、注目です。

【2022年9月21日放送】
あわせて読みたい