中古スニーカー高騰 なぜ?注意点は?

いま中古のスニーカー市場で、発売された時よりも大幅に高い値段で取り引きされる商品が増えています。その理由や注意点を取材しました。

中古スニーカー「爆発的」高騰

東京・有楽町の百貨店。3月に、中古品専門のスニーカーショップ「SNEAKER MARKET BY KOMEHYO」がオープンしました。

品ぞろえを見ると、NBA=アメリカプロバスケットボールの八村塁選手とコラボしたモデルは3万5000円。数量限定で販売されたスニーカーには16万円の値段がついています。

希少価値が高く、保存状態が良いものの価格が高騰しているといいます。例えば2021年に発売された定価約1万8000円のモデルは、21年の中古市場では約12万円で取り引きされ、今では20万円以上に値上がりしました。

20万円以上に値上がりしたモデル

中古品専門スニーカー販売店 濱野了一 店長
「爆発的に相場が今もまだ上がり続けている」

値上がりにもかかわらず買い求める人は多いといいます。来店客の一人は「『高いな』と思っても、欲しかったら買っても『まあいいかな』みたいな感じ」と話しました。

値上がりの理由 売買アプリ普及と新型コロナ

中古のスニーカーは愛好家の需要で値上がりしてきました。そこに拍車をかけたのが、スニーカーをネットで売買できるアプリの普及です。

アプリで値動きが分かりやすく表示され、投資や転売目的の人も市場に参入しています。

こうした売買は海外ともつながり、価格の高騰が起きやすくなっています。

さらに、専門家は新型コロナの感染拡大も影響していると指摘します。

中古品市場に詳しい 「リサイクル通信」の瀬川淳司 編集長
「新型コロナで旅行やレジャーなどの消費が難しくなってきている中で、モノにお金が回りやすい傾向はある。一部の商品では、投資的な価値を見いだして高騰してきている流れがある」

「資産価値」に注目する人も

スニーカーを「資産」とみて収集を始めた人もいます。岡山県の加藤高明さんは、この3年間で93足を購入しました。

加藤高明さんと、そのコレクション

加藤さんはスニーカーを売買できるアプリを欠かさずチェック。自分が持っているものと同じものが、今いくらで取り引きされているかを調べます。

履く楽しみに加えて将来的に価値が上がることも期待しているといいます。

スニーカーを収集している加藤高明さん
「銀行にお金を預けていくような感じで僕はこのスニーカーを買って、資産としての価値もあるし、実用性を兼ねているという二面性があっていいのかな」

中古品売買の注意点は?

中古品の値上がりはスニーカーのほかにも、時計ゲームのカードジーンズといった商品でも起きています。例えば腕時計は、この1年で2倍以上の値上がりになっているものもあるそうです。

一方、注意点もあります。転売目的で中古品を売買するには古物商としての許可が必要です。また最近では一部で偽物の商品が出回っていて、売る側も買う側も注意が必要です。
【2022年10月25日放送】
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