コロナ禍の「筋トレブーム」を福利厚生に活用!

リモートワークやおうち時間が増え、運動不足の解消に筋トレを始めた人も多いかもしれません。
体の不調や変化を感じている人を対象に、「コロナ後に新たに始めたケア」を聞いたところ、「筋トレ」と答えた人は20代の男性で33%、女性で24%に上りました(ピップ調べ、2021年2月)。

いま高まっている筋トレへの関心を従業員の福利厚生に生かす動きが出てきています。

“マッスル社員”募集開始

橋の設計や建設を行う福岡県の会社「ジュントス」は9月から、“マッスル社員”の募集を始めました。筋肉づくりに興味があり、入社後もトレーニングを続けていきたいという人を積極的に採用するというのです。

社長の朝稲啓太さんは、人手不足を打開したいと、このアイデアを考えました。

橋の設計や建設を行う会社 社長 朝稲啓太さん
「きつい・汚い・たいへんだという“3K職場”と言われる中で、建設土木として『こういうかっこいい職種もあるんだ』と世の中に微力ながらでも応えていければ」

この会社は、社員がボディービル大会に出場する際に特別休暇を与えることにしています。そして優勝すれば報奨金も支給されます。

また24時間オープンしているジムと契約し社員が自由にトレーニングできるようにしました。

入社9年目の白水翔大さんは、筋トレを始める前の6月にはやや“ぽっちゃり”体形。しかし約4か月トレーニングすると結果が現れ始め、現在はボディービル大会への出場を目指しているといいます。

約4か月前の白水さん
現在の白水さん

「目に見える形で結果として出るのはやりがいを感じる。来年は(ボディービル大会で)優勝したい」と話しました。

福利厚生に“高たんぱく弁当”

従業員の筋肉づくりを食べ物で後押ししようという動きもあります。東京都内で、高たんぱく、低カロリーの食事を売りにするレストランを運営する会社「TANPAC」は8月から、たんぱく質をメインにした弁当を企業に届けるサービスを始めました。

メニューは100種類以上あり、鶏むね肉や豆腐など筋肉づくりに適した食材をふんだんに使っています。

レストラン運営会社 谷川俊平さん
「仕事をするうえで、体調管理などに筋肉はすごくつながってくると思うので、従業員の方に与えるサービスとしてはすごく相性がいいんじゃないか」

東京都内のマーケティング会社「トレンダーズ」は、このサービスを試験的に導入しています。従業員の7割がリモートワークを行っているため、健康管理をサポートするねらいです。

従業員の女性は「こういった福利厚生があると非常に助かる」と話します。

マーケティング会社 吉澤雅代さん
「食事から体づくりは始まると思っている。おいしい食事を食べて元気になって、仕事も気分よくスタートしてもらえれば」

いま筋トレブームによって、トレーニンググッズやプロテイン商品などの市場も伸びています。こうしたニーズを人材確保や福利厚生に生かす企業が今後も増えてくるかもしれません。
【2022年9月26日放送】

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