幻のコーヒー「バラコ」を世界へ 輸出拡大めざすフィリピン

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フィリピンは19世紀には世界4位のコーヒー輸出国でしたが、その後コーヒーの木の病害が広がり産業は衰退してしまいました。

いま地元産の珍しい品種をブランド化して世界に売り込む取り組みが始まっています。

希少な「バラコ」濃厚な苦みと香り

首都マニラにあるカフェには、国産のコーヒー「バラコ」を目当てに多くの客が来ています。

味の感想を聞いてみると、「ほかのコーヒーとは違う」「とてもおいしい」と好評です。「バラコ」は現地の言葉で「強い」を意味し、名前のとおり濃厚な苦みと香りが特徴です。

リベリカ種」という希少な品種で流通量が少なく、”幻のコーヒー”とも呼ばれています。

収穫までの期間が長く栽培には手間がかかりますが、コーヒー豆を絶やさぬよう努力が続けられてきました。

バラコを世界へ 最初のターゲットは「日本」

「バラコ」の輸出に取り組むバネッサ・ベラスコさん

輸出業者のバネッサ・ベラスコさんは、このバラコをブランド化して世界に売り込もうとしています。

ターゲットは日本です。日本は2020年のコーヒー輸入量が731万袋と、アジアではトップクラスの輸入量がある有望な市場だからです。

輸出業者 バネッサ・ベラスコさん
「日本人は高い品質を求める。日本で受け入れられれば、フィリピンのコーヒーが高い水準に届いたことになる」

ベラスコさんが農家とともに目指すのが、品質にこだわった「スペシャルティコーヒー」です。農薬は一切使わず有機肥料で育てます。収穫後は、手作業で形や状態のよい豆だけを選び管理を徹底します。

1粒1粒、手作業でよい豆を選ぶ

ベラスコさんは、販売に向けて日本の輸入会社と打ち合わせも行っています。多くの人に手に取ってもらえるよう小分けのドリップバッグにして、日本語の説明をつけることにしました。

輸出業者 ベラスコさん
「日本進出を成功させられると自信を持っている」

日本の商社や卸売も期待

ベラスコさんはこのほど来日し、東京のフィリピン大使館で開かれたフィリピン政府主催のコーヒーの試飲会に出席。これまでにない品ぞろえを探る商社の担当者などにバラコをふるまいました。

試飲する商社や卸売の担当者

参加した商社の担当者の一人は「希少な品種なので興味を持ってくれる方は多いのではないか」と話しました。また卸売の担当者の一人は「(これまでの輸入元は)アフリカや中南米が多い。ばい煎するのも楽しそうで、未来が楽しみ」と期待を寄せていました。

輸出業者 ベラスコさん
「海外の人がコーヒーを買ってくれれば農家の支援にもなる。なんとかフィリピンのコーヒーが世界市場に出ることを願っている」

コーヒーの需要は世界的に高まっています。フィリピン政府はコーヒー産業の復活を図ろうと5年前に増産計画を策定していて、栽培や販売の支援を続ける方針だということです。
(マニラ支局 記者 酒井紀之、国際部 記者 後藤祐輔)
【2022年9月8日放送】
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