パーム油高騰 影響は私たちにも!?

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料理に使われる「食用油」は、国連機関によるとウクライナ情勢などを背景に過去最高の水準まで値上がりしています。インドネシアではパーム油が高騰、影響は日本の身近なところにも及んでいます。

インドネシア産パーム油高騰 70%値上げの品も

4月、国民の8割以上がイスラム教徒のインドネシアで、日中の飲食を断つ「ラマダン」が始まりました。飲食が許される日没が近づくと、食べ物を買い求める人たちが道端の屋台に集まり、ふだん以上ににぎわいます。

屋台の定番は油をたっぷり使った揚げ物です。しかし今、料理の値段を上げたり、値段は同じでもサイズを小さくしたりする店が相次いでいます。

ある屋台では野菜やバナナなどの揚げ物を1個当たり25%値上げしました。店主は「困っている。お客さんには申し訳ないが、値上げしなければ商売にならない」と話します。

値上げの理由は、調理に使う油の価格高騰です。インドネシアではパーム油などの食用油の価格が上昇し、種類によっては1年前と比べて70%も値上がりしています。

背景にウクライナとロシアの「ひまわり油」

パーム油高騰の背景にはウクライナとロシア産の「ひまわり油」の影響があります。

ひまわり油の世界的な生産国である両国からの供給が滞るという懸念から、代替品としてインドネシアなどアジアで生産されるパーム油の需要が高まっているのです。

インドネシアでは油の高騰で市民の生活が圧迫され、「食用油!安くしろ!」と政府に値下げを求めるデモまで起きています。

市民の一人は「インドネシアはパーム油の生産国なのに、なぜこんなにも値上がりしているのか」と話します。

日本への影響はどこまで?

影響は日本にも広がっています。菓子メーカーが3月、パーム油の価格上昇を理由に一部のスナック菓子で量を減らす、いわゆる「実質値上げ」に踏み切ることを決めました。

パーム油は、菓子だけでなく洗剤や化粧品などさまざまな商品に原材料として使われていて、専門家は今後さらに幅広い商品の値上げにもつながるおそれがあると指摘します。

JETROジャカルタ事務所 上野渉 広域調査員
「パーム油というのは日本人の生活に朝から夜まで(使われ)密着している。もし最終製品に価格が転嫁されると影響は広がるのかなと思う」

日本の菓子の実質値上げが、直接は使っていないウクライナやロシアのひまわり油の供給不安から起きているという構図。世界経済はつながっているだけに今後のさらなる影響が気になるところです。
(ジャカルタ支局長 伊藤麗)
【2022年4月21日放送】