災害後の保険金申請 悪質な仲介業者に注意

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大雨や地震などで家屋が被災して保険金を申請しようとする時に、契約者と保険会社の間に入って手続きを手伝う「仲介業者」がいます。東日本大震災以降こうした業者が増加し、今では1000社以上存在すると言われています。

ところがここ数年、契約者と仲介業者の間でトラブルが増えていて、国民生活センターへの相談件数は2021年に約5000件と、この10年で7倍に増加しています。

高額な仲介手数料を要求

どんなトラブルなのでしょうか。仲介業者が被災者の自宅を訪ねたり電話をかけたりして、被害状況の調査や保険金の申請に必要な書類の作成を行うと持ちかけ、非常に高額な手数料を要求するケースが相次いでいるということです。

弁護士の造力宣彦さんは次のように注意を呼びかけています。

弁護士 造力宣彦さん

「大体100万~200万円ぐらいの保険金の場合、その30~50%ぐらい、数十万円単位のお金を請求される」

中には被害状況を偽って、うその申請をする悪質な業者もいるといいます。契約者には高額の手数料を要求し、保険会社にはうその申請をして、契約者・保険会社の双方に被害が及んでいるということです。

造力さん

「実際は災害では壊れていない経年劣化的な損傷を『これは災害によって壊れたので保険金を払ってください』という請求をするケースが見られる」

悪質な業者の中には、行政処分を受けたり詐欺などの疑いで逮捕されたりするケースもわずかにありますが、手数料の金額1つをとっても法律には明確に規定されておらず、グレーソーンになっていると造力さんは指摘しています。

保険会社が対策を始動

保険会社も対策に乗り出しています。大手保険会社「損害保険ジャパン」は7月、群馬県高崎市で弁護士と共同でビラを配り、インターネット上に悪質な仲介業者の広告が増えているとして注意を呼びかけました。

さらにこの会社は、仲介業者に関する対応を専門に行う部署を設置。災害が起きた地域の契約者に対して、「悪質な業者がサポートをする事例が非常に多い」などと電話やSNSで注意喚起しています。

損害保険ジャパン 火災新種グループ 鳥澤祥子 課長代理

「悪質な業者がお客様に接触する前に、先回りして被害を少しでも減らしたい」

AIが悪質業者を判定

また大手保険会社「東京海上日動火災保険」はAIを使って悪質な業者をあぶり出す取り組みを始めました。

その方法は、まずAIに悪質な業者が関与したと見られる過去の保険金の申請書や、添付された被害状況の写真などを学習させます。

このAIに新たに届いた申請書などを分析させることで、悪質な業者の関与がどの程度疑われるかを判定しようとしています。

東京海上日動火災保険 損害サービス業務部 矢島凌 課長代理

「担当者が『怪しいな』と疑問を感じるタイミングをなるべく早くすることで、早期に事案の方針を定めて適切な対処をしていく」

損害保険の業界団体では業界全体で対策を共有していくということですが、仲介業者から接触があった場合はすぐに手続きをせず、契約している保険会社や最寄りの消費生活センターに相談してほしいとのことでした。

消費生活センターには、消費者ホットライン(電話番号「188(いやや)」)から相談できます

【2022年8月5日放送】

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