「BCP(事業継続計画)」とは、災害で工場が被害を受けたり社員が出勤できなくなったりした時に事業を続けるための計画のことです。
新型コロナへの備えとしても重要になっていますが、人員が限られる中小企業にとって計画づくりは簡単なことではありません。そうしたなか遠隔地の企業と連携して、もしもの時に備える動きが出てきています。
社員12人の機械メーカー 地震やコロナにBCPで備え
静岡県藤枝市の機械メーカー「西光エンジニアリング」は社員は12人。果物を乾燥させる機械や、大手飲料メーカー向けの大麦をばい煎する機械などを製造しています。
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会社では南海トラフの巨大地震や新型コロナの感染などに備え、BCPを毎年のように更新しています。
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取引先の連絡先を営業担当がいなくても分かるようにリスト化したり、会社の幹部が出勤できなくなっても代わりができる人材を育てたりするなど、限られた人数で業務を続ける方法を考えてきました。
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静岡と北海道で遠隔連携 もしもの時に代わりに製造
しかし仮に大災害が起きて設備が壊れてしまえば、業務が完全に止まってしまいます。そこでこの機械メーカーは、遠隔地の企業との連携を進めてきました。
静岡の機械メーカー 岡村邦康社長
「静岡にしか工場本社がないところから機械は買えない(と言われたら)、それに対する答えがないと会社はやっていけない」
連携相手は北海道旭川市の中小企業「エフ・イー」です。9年前に展示会で偶然出会って意気投合。互いに工場の視察をするなど交流を続けてきました。
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この会社は野菜を洗浄する機械などをつくっています。大型の機械をいちから設計・製造できる技術に共通点を感じ、連携を決めたといいます。
両社は災害などでどちらかの工場が完全に停止した場合、製造やメンテナンスなどを代わりに行うことにしました。
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北海道の会社 佐々木通彦社長
「中小企業は日本全国至るところに拠点を持つわけにもいかない。支え合っていこうと」
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もしもの場合には、大事な機械の設計図やノウハウなども共有することにしています。静岡の機械メーカーの岡村社長は連携について、互いの信頼関係が欠かせないと話します。
静岡のメーカー 岡村社長
「同じような規模の会社で研究開発型の会社であって、経営者どうしの馬が合うことも大切な要件。この方なら一緒にやっていける、と」
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「経済団体などのサポートを」
専門家で、SOMPOリスクマネジメントの篠目貴大執行役員は、連携相手を見つけておくことは有効な備えの一つで経済団体などによるサポートも必要だと指摘します。
篠目貴大 執行役員
「商工会議所もしくは商工団体とか、離れた中小団体どうしで(連携を)結んでおくのもある。平常時からうまく組める企業を探して、BCPをあらかじめ協議しておくことが大事」
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こうした連携は、BCPはもちろん製品開発や販売などでも可能性がありそうです。仲間づくりを考えてみてはどうでしょうか。
【2022年2月28日放送】