首都直下地震の危険 その時どうする
首都圏の位置する南関東は、これまで繰り返し大きな地震が発生し、関東大震災も発生しました。首都直下地震などの大地震はいつなんどき起こるかわかりません。地震を回避することは難しくても、被害を少なくすることは可能です。できることから備えましょう。
過去に放送された防災ニュースの内容をまとめた記事です
目次
首都直下地震の危険性
多くの被害が予想される都市部の大地震
明治以降、現在までの約120年間に、南関東ではマグニチュード7(以下、M7)程度の地震が5回発生しました。このほかにも1923年に起きた関東大震災では、死者・不明者は10万5000人となりました。 都市部は人口密度が高く、住宅や建物が密集しています。もし現在、M7クラスの地震が都市部直下で発生すれば、多くの被害が出ることが予想されます。
首都圏は地震活動が活発!
地震の原因は「プレート」といわれる岩盤の動き。日本の中でも特に首都圏は、沈み込む海洋プレートが2つあるため地震活動が活発です。現在でも関東では、M4クラスの地震が月に1回程度、M5クラスは年に1回程度、発生しています。そして、今後30年以内に南関東のどこかで、M7クラスの大地震が発生する確率は70%といわれています。
都市部で地震が起きたら…?
●都心南部直下地震で想定される被害(2013年12月内閣府中央防災会議)
首都直下地震では火災による大きな被害が予想されます。主な原因は電気器具による出火といわれています。自分の家に漏電ブレーカ・感震ブレーカが設置されているかどうかを確認し、漏電による火災や事故を防ぎましょう。
東京で地震が起きたら…
2011年の東日本大震災を受けて、国も自治体も被害想定の見直しを行いました。東京都は国に先駆けて2012年4月に被害想定を発表しています。
その結果、東京都での最悪の死者数は、2006年の想定の約1.5倍に増加しました。揺れの範囲が以前の想定より広がったことと、建物に留まる人の数が増えたことが理由です。
このような被害想定に基づいて、国や自治体は防災計画を作ることができます。また企業や個人も、防災のために備えることができるのです。適切な対策を行うことで、震災を軽減することは可能です。国や自治体、企業、そして個人それぞれの立場で、今からでも備えてください。
少しでも被害を減らすには…
揺れ始めの3分間がポイント
地震の揺れが強いのは、揺れを感じてから最初の数十秒間、長くて数分間です。東日本大震災時も都心で強い揺れを感じたのは、3分間程度でした。この最初の3分間に、自分の身の安全を確保することが重要です。
子どもも大人も防災訓練!
震災を防ぐためには、強い揺れを感じたときにすぐに行動に移せるよう、訓練しておくことが大切です。
●揺れを感じたら…
「昔やったから…」と軽視せずに、大人も訓練を行うことが重要です。
そして子どもも大人も、「いざというときにすぐ身を守る行動がとれる」ようにしましょう。
【監修】平田 直 東京大学名誉教授
2022年6月更新
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