2022年07月20日
就活を始めてみると、世の中には自分が知らない企業がたくさんあることに気がつきます。一体どこから手をつければよいのか、情報の海に飲み込まれそう…。専門家の2人に抑えるべき企業研究のポイントについて聞きました。
(2022年6月12日 NHKオンラインイベント「24卒のみなさん 就活のギモンに答えます!」より)
今回のトピックは「企業研究」です。どのように情報収集をして、行動していけばいいのか、確認していきましょう。
学生リポーターの2人は企業の情報をどんな風に手に入れていますか?
企業のホームページを閲覧したり、説明会に参加したりしています。
まだそんなにできていないんですが、先輩の話を参考にしていきたいと思っています。
情報収集ということで、説明会、それから企業のホームページを覗いてみる、さらに、OB・OG訪問というものもありますよね。
吉田さん、まずは、何から取り組んでいけば良いでしょうか。
「好きだな」「面白いな」と思った業界や企業を選び、そこから深めていただくのがいいかと思います。
みなさん、企業研究って、やらなくちゃいけないものとか、調べなきゃいけないものという認識を持ってしまいがちだと思います。
でも、そこからスタートしてしまうと途中で嫌になってしまう人もいるかもしれません。
ですから、まずは興味のある業界、会社、働き方を調べるところから始めてもらって、徐々に、幅を広げていただくというのがいいと思います。
寺口さんはいかがですか。
初めの一歩としては「全体感と調べ方の切り口を把握する」ことだと思います。
世の中全体がどうなっていて、どういう業界にどういう会社があるのか、どんな仕事があるのかとか、いろんな切り口で調べることができると思います。
僕が、就職活動をしていたときは、人気企業ランキングと年収ランキングの2つの指標しか目にとまらなかった記憶があります。
今は、キャリアを考えるためのデータの切り口が多様化していて、例えば「働きがいがある会社」のランキングとかも出てますし、就職後のキャリアパスがわかるキャリアの地図みたいな情報もあります。
全体感が分かったら、自分が企業に対して何を望んでいるのかの「仕事観」が少しずつ見えてくると思います。
職種が大事なのか、収入が大事なのか、働きがいが大事なのか。または次のキャリアの選択肢があることが大事なのか、といったことですね。
あとは、吉田さんの意見と同じで、ネガティブな情報にばかり触れると働くことが楽しくなくなっちゃいます。
なので、どっちかっていうとポジティブな情報から先に見て、ネガティブチェックはあとからやったらいいと思います。
ポイントをまとめると、自分の興味、キャリア、思考から探していく。まずは、ポジティブな情報から集めていく。いろんな角度から情報を集めていく。といったところですね。
あと情報収集にあたっては、就活生向けではない情報にも触れた方ががいいです。
就活生向けに編集されていない情報の方が真実に近いこともありますので、就活の文脈以外の情報を見に行くということも大事ですね。
具体的にどこを見ればいいんでしょうか?
NHKのニュースでもよいと思うし、例えば、今、日本全体でも力を入れようとしていますが、スタートアップの情報を詳しく知りたいなら、そういう情報をまとめているメディアっていっぱいあるんですよ。
検索で「スタートアップ 調達」とか、「ユニコーン企業 一覧」とかで調べてみてください。こうして関連するカテゴリーのメディアを掘っていくのが良いかなと思います。
堀さんは、企業のウェブサイトなんかも見ますか?
新入社員や内定者の声みたいなものを読みながら、会社の雰囲気をつかもうとしています。
年次の近い先輩の働きぶりを知りたい場合は、堀さんのように、企業の新卒採用向けサイトで、先輩社員の声をまとめたコーナーを見るのが一番分かりやすいかと思います。
若手社員がどのようなことにやりがいを感じていて、どんなところがつらかったか、といったことが紹介されている場合が多いです。
寺口さん、こうして企業のウェブサイトを見る時の、ちょっとした裏技のようなものはありませんか?
ありますよ。投資家向けの情報と言われるものを見るということです。
正直、僕は求職者向けより投資家向けのページをよく見ていて、そっちの方が丁寧に事実が整理されて書いてあります。
例えば、決算情報説明会とかの資料だと、この四半期はこういうふうにやろうと思っていました。けど、これは予定通りにいったけれども、これはうまくいきませんでした、とか。
逆に、これに対してはこういうふうにリカバリーしていきますとか。
中期経営計画だったら、今後数年間はこういうものに投資しますとか、統合報告書なら、今、会社の実態はこういうふうになっています。とか。
投資家向けの情報に目を通しているな、という学生がいた場合、採用する側としてはどんな印象をうけますか?
調べてくれていることが嬉しいですね。
ビジネスに対する興味・関心が高い学生だなと、思います。
そういう意味では、調べてマイナスになることは絶対にないですね。
そのことで、面接の会話が変わることはありますか?
事業の実態を知ってくれているわけなので、自分のどの部分が企業とマッチするのかが分かりやすくなると思います。
事業の話を見ていないと、ふわっとした質問で終わるんですけど、ビジネスの話をちゃんと理解してから面接に行くと、より具体的で一歩踏み込んだ話ができますよね。
最新のIR情報には、直近の3か月間の事業の業績とか、会社が目指す方針が記載されています。それを見ているとリアリティーのある意見交換につながっていくのではないかと思います。
ありがとうございます。
では、企業研究に関連した質問をもう1つ見ていきましょう。
「就職情報サイトに載っていない企業は採用予定のない企業なのでしょうか」という質問です。
確かにちょっと気になりますね。吉田さんいかがでしょうか?
採用予定のない企業もありますし採用予定があるけれども就職情報サイトに載せてない企業もいらっしゃいます。
載っていない場合は、どうすればいいんですか?
まずその企業のウェブサイトで募集をしているか確認してみてください。
それでもない場合は、直接、メールでも電話でもよいのですが、その企業に「今年は採用されますか?」ということをお問合せしていただいてかまわないです。
「○○大学何年生の○○と申しますが、今年は新卒採用予定ありますか?」という聞き方で良いですか?
問題ありません。ことし新卒採用を行うかどうかを、直近の業績や1つの受注案件が入るかどうかで決める企業も中にはあるので、タイムリーな情報を取得するという意味で直接、連絡を取っていただいて大丈夫です。
ありがとうございます。企業研究のための情報収集、次回はOB・OG訪問について見ていきます。
編集:吉岡真衣子 加藤隼也 撮影:芹川美侑 荻原功英
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