2023年06月21日
ChatGPTをはじめとした生成AI。今月、就職情報会社が発表した調査では、学生の約2割が「就職活動で使ったことがある」と回答。「ChatGPTって就活に使っていいのかな・・・」。調査結果から就活生のみなさんの受け止め方を見ていきます。
※マイナビ「2024年卒大学生活動実態調査(5月)」より
以下は、24卒の学生を対象に、ChatGPTを始めとした生成AIを使った経験について尋ねた結果です。
39.2%の学生が「何らかの場面で使ったことがある」と回答。
そして「就職活動で使ったことがある」と回答した学生は、全体の18.4%に上りました。
では、生成AIを就活で使うことについて、どう考えているのでしょうか。上記質問で「使ったことがある」あるいは「使ったことはないが、サービスについて知っている」と回答した学生を対象に尋ねた結果がこちらです。
「積極的に使いたい」と「どちらかというと使いたい」が合わせて34.8%。
逆に「まったく使いたいと思わない」と「どちらかというと使いたいとは思わない」は合わせて37.8%となりました。
どうやら、現状では学生の間でも考え方にばらつきがあるようです。
それでは「使いたい」と答えた学生の声をいくつか見てみましょう。
ES添削の場面において使いたい。人に添削してもらうには日中しかできないが、AIを使えば24時間いつでも添削してもらえ、添削待ちの時間を削減できるため(文系・男性)
志望動機などを自分でまとめられない時に、ChatGPTに箇条書きで自分で志望理由を書いてまとめてもらうことに利用したい。まとめてもらったものを参考にすることで、効率化を図ることができると思う(文系・女性)
企業の情報と自身のエントリーシート記入内容を読み込ませ、面接で聞かれそうな設問を想定させている。自分では思いつかない角度からの質問は実際の面接でも役立った(文系・女性)
企業に送るメールなどに利用したい。 1から自分で考えていると時間がかかるため、特に早く伝えたいことがある場面で助かると思う(理系・男性)
エントリーシートの添削や面接での想定質問、企業向けのメール作成などに使っている、もしくは、使ってみたいという声が多くなっています。エントリーシートの添削では、字数調整など補助的な使い方をしている学生が目立っています。
次に「使いたくない」と答えた学生たちの声です。
AIによる分析も手段の1つであるとは思うが、やはり人と話すことで心が整理されたり癒されたりすることもあり、また、人と話す練習が面接にも活かされると考えたため、メインとして使いたいとは思えなかった(理系・女性)
まだセキュリティ面で不安であること、チャットサービスを使ったことが企業側にばれたときに不利にならないか不安であるため(文系・女性)
自分らしさが表現できず、他の就活生との差別化ができないと考えるから(文系・女性)
エントリーシートを下書きしている際にChatGPTを用いて文章の作成に試みたことがある。いくつかのキーワードと条件を与えて生成したところ、案外筋の通ったものが出来上がった。しかし、完璧に自分の伝えたいことがその文章に反映されているかと言えばそうではない。論理的な文章の構成は参考になるが、自分の頭で考え、自分の手でキーボードを打ち込む方が結果的には効率的であると考える(文系・男性)
AIが作成した文章では自分らしさが出せないのではないか、人と相談した方が効果的なのではないか、といった声が上がっています。1度は使ってみたものの、あまり効率的でないと感じて使うのをやめた、という学生もいるようです。
結局、就活に生成AIを活用するのって「あり」?それとも「なし」?
調査を担当したマイナビキャリアリサーチラボの東郷こずえ主任研究員は「就活で生成AIを使うかどうかはあくまでも個人の判断になる」としたうえで、実際に使う場合には、以下の3つの点に特に注意してほしいとしています。
①情報の信憑性を見極めて
ChatGPTなどが出した情報は100%正しいとは限りません。企業のHPなどの1次情報にアクセスすることが求められます。例えば、まずは自分がよく知っていることについて、ChatGPTに聞いてみて、どの程度、確かな答えを返してくれるのかを体感してみることも手かもしれません。
②オリジナリティーを大切に
生成AIが書いた文章は、ほかの誰かが書いた文章である可能性もあります。自分らしい表現を考えることも大切です。また、自分が入力した情報が、ほかの人がAIで生成した文章に使われてしまう可能性も否定できないため、入力する情報についても注意が必要です。
③嘘は書かない
ChatGPTに限らずですが、嘘の経験を書くことは、その後の面接での整合性が取れなくなるため、よい結果には結びつきません。企業側に不信感をもたれる方が不利に働くので、注意しましょう。
そのうえで、東郷さんは、AIを利用することのメリット・デメリットについて以下のように話しています。
「働き始めると、AIを業務で使う機会も増えています。就活をきっかけとして、AIサービスを触ってみて、AIに対するリテラシーを高めることも1つの手と言えます。ただ、就活で使う場合には使った結果に責任と納得感を持てることが大事です。就活は入社がゴールではなく、その会社で実際に働くことになるので、AIを使うべきシーンかどうかを考えたうえで、うまく付き合っていくことを心がけてほしいと思います」
※調査期間:2023年5月25日~31日 対象:24卒の大学生・大学院生5062人
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