日本代表のアタッカーで一番の選手に

三笘薫

サッカー #やっぱ好きだなぁ

サッカー日本代表の試合。
三笘薫がサイドでボールを受けてドリブルを始めると、ひときわ大きな歓声が上がる。
日本代表のきってのドリブラーは世界最高峰と言われるイングランドプレミアリーグでも独特の緩急で相手を翻弄してきた。

その最大の武器、ドリブルについて聞くと、本人からは意外なことばが返ってきた。

「ドリブルだけの選手にはならない」
「ドリブルに固執しない」

その理由を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「いかにたくさん選択肢を持って、そこからベストを選ぶことができるかだ。相手の状況を見てドリブルがいいのかを判断していく。何でもできることが大事」

“多くの選択肢を持つ”

その意識をさらに強めたのは、イングランドプレミアリーグでの経験だった。
世界屈指のサイドバックとの対戦や、警戒されて複数で囲まれる状況に直面したことでパスやシュートなどさまざまなプレーを駆使しなければ戦えないと実感した。

「ボールを持ったときに相手からすると自分はドリブラーという意識が強いと思うが、そこをドリブルしない。あえて違うことを出すということ。『こいつは読めない』と思わせることが大事で“頭脳戦”ではないが、相手の嫌なことをいかにし続けるかという思考になっている」

6月に行われた日本代表の強化試合、ペルー戦で三笘の進化が見えたシーンがあった。
左足でのクロスボールや大きなサイドチェンジ。

三笘は立ち上がりから相手にさまざまなプレーを印象づける。

そして、今度は左サイドでボールを持つとクロスボールを上げると見せかけ、一気に加速して、縦に突破した。
それまでの動きを布石にしたプレーだったと言う。

ここぞの場面で切り札を出す、三笘が言う“頭脳戦”の一端がかいま見えた。
三笘はこのプレーについて振り返る。

「クロスボールを見せたうえでのドリブルだった。目線でだまして、相手の足を上げさせ、重心を変えさせた。プレーの中で余裕が出てきている」

三笘は昨シーズン、イングランドプレミアリーグで日本選手史上最多の7得点をマークしたが、2年目を迎える今シーズンは厳しい状況が待ち受けると覚悟している。
それでも世界最高峰の舞台で自信をつけた頭脳プレーを駆使して、さらなる活躍を見据える。

「自分のプレーを知られている状態で入るので、昨シーズンと同じプレーをしても活躍できないのが2年目のシーズンだと思っている。そこは自分の力量が試されるというか、より自分のプレーの幅を見せていくシーズンになると思う。次のワールドカップまでに確実に中心選手となって、毎試合、試合を決定づける。日本代表のアタッカーで一番の選手と言われるような存在感を出さないといけないと思っている。そういう選手に憧れて子どもたちも日本代表を目指すと思うので、自分はそういう選手になりたい」

サッカー #やっぱ好きだなぁ