科学

「はやぶさ2」2度目の小惑星着陸 25日までに可否を判断

「はやぶさ2」2度目の小惑星着陸 25日までに可否を判断

2019.06.11

小惑星「リュウグウ」に2度目の着陸を行うかどうか検討をしている探査機「はやぶさ2」について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は観測データなどの解析を急ぎ、今月25日までに着陸の可否の判断を行う考えを明らかにしました。

「はやぶさ2」はことし4月、小惑星「リュウグウ」の表面に金属の塊を衝突させ、直径10メートル余りの人工クレーターを世界で初めて作ることに成功しました。

5月30日には小惑星の上空で降下して、着陸の際に目印となる「ターゲットマーカ」を投下しました。「ターゲットマーカ」は直径10センチのボール状で、「はやぶさ2」から分離した直後に上空8メートルで撮影された画像では、右下に白く映り込んでいます。

JAXAは11日の会見で、投下した目印が着陸候補地の「C01ーC」と名付けたエリアの中に落ちたことを明らかにしました。
場所はエリアの中心から3メートル程度しか離れておらず、高い精度で投下に成功したということです。

人工クレーターの周辺には噴き出した岩石が降り積もっていて、この付近を撮影した画像では黒っぽく見えています。
着陸候補地のエリアは、人工クレーターの端からの距離がおよそ10メートルで、岩石がおよそ1センチの厚さで降り積もっていると考えられ、小惑星内部の岩石を採取できる可能性が高いということです。

「はやぶさ2」が着陸ができる期限は、リュウグウが太陽に接近し、表面温度が上がる7月上旬までで、JAXAは13日に改めて「リュウグウ」の上空10メートルまで接近して機器の動作確認などを行うほか、これまでの観測データの解析を急ぐとしています。
そして今月25日までに2度目の着陸の可否を判断し、公表する考えを明らかにしました。

JAXAの吉川真ミッションマネージャは「着陸のリスクを最小限にする方法を現在検討している。さまざまなデータを総合して着陸するかどうか判断したい」と話しています。

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