科学と文化のいまがわかる
デジタル
2019.06.11
世界最大級のゲームの見本市、E3がアメリカ ロサンゼルスで始まり、インターネットを使った「ストリーミング配信」を活用したゲームが注目されています。
E3はゲーム関連企業が新作を発表する世界最大級の見本市で、任天堂やフェイスブックなど200社以上が出展し、11日から3日間でおよそ7万人の来場者が予想されています。
ことしは、ゲーム専用の機械を使わずインターネットを使った「ストリーミング配信」を活用したゲームが数多く発表されています。
このうち「ファイナルファンタジー」シリーズで知られるスクウェア・エニックスは、アメリカの人気ヒーローを題材にしたゲームソフトを来年発売する予定で、大手IT企業のグーグルが始めるストリーミング配信を利用して遊ぶことができます。
アメリカ事業を統括するフィル・ロジャース氏は「ストリーミングにより、あらゆる端末で、より多くのキャラクターを使って、より高速にゲームが楽しめるようになる」と話しています。
ストリーミング配信ではゲームの複雑な画像処理を高性能なサーバー側で行うため、インターネットにつながっていれば専用の機械がなくてもゲームを楽しむことができます。
E3に出展した多くの企業は次世代の通信規格「5G」の導入を見据えて、ストリーミング配信を活用することを明らかにしています。
ゲーム専用の機械を使わず、インターネットを使って複雑な画像処理を高性能なサーバー側で行う「ストリーミング配信」は、場所を選ばずゲームを楽しむことができることからゲーム業界を大きく変えることになると指摘されています。
これまでゲーム業界では、専用の機械を持つ任天堂、ソニー、マイクロソフトが3強とされてきました。
マイクロソフトは「ことし10月からアメリカで試験的にストリーミング配信を始める」と、E3の開幕直前にロサンゼルスで発表しました。
料金など詳細は明らかにしませんでしたが、意識しているのは、ことし11月に欧米14か国でゲームのストリーミング配信を始めるグーグルです。
グーグルのサービスのアメリカでの料金は月額9ドル99セント(およそ1080円)で、バンダイナムコによる「ドラゴンボール」や、スクウェア・エニックスによるアメリカのコミック「アベンジャーズ」を題材にしたゲームソフトなど、およそ30種類が配信されることになっています。
オランダの調査会社「ニューズー」によりますと、世界のゲーム市場の規模は去年、およそ15兆円でしたが2021年にはおよそ19兆円に達すると予測されています。
ストリーミング配信は、音楽や動画の楽しみ方を大きく変えてきただけに、ゲームについてもその動きが注目されています。