新型コロナウイルスの感染拡大が企業の採用計画にも影響を及ぼす中、これまで続けてきた就職活動の軌道修正を迫られる学生もいます。
都内の大学に通う4年生の井元和輝さんは、航空業界を第1希望に就職活動を続けてきました。客室乗務員を夢みて航空会社の説明会への参加やOB訪問を繰り返すとともに、ことしの1月からは専門の塾に通って、乗務員に欠かせない細かな所作なども学んできました。
しかし、エントリーシートを提出し、書類選考の結果を待っていた5月になって、グループの3社に応募していたANAホールディングスから採用活動を一時中断すると連絡が入りました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた移動の自粛などの影響で、事業計画の策定が困難になったというのが理由です。
その後も、スカイマークに日本航空と、採用活動の中断が相次ぎ、井元さんは、これまでの就職活動を軌道修正する必要性を感じているといいます。
井元さんは「採用人数が減るかもしれないとは思っていたが、中断されるとは思わなかった。いつ始まるのかもわからず、先が見えないので不安な気持ちが強い。ことし中に決めたいと思っているので、航空業界だけという訳にはいかなくなってしまった」と話していました。
井元さんは、今、活動の範囲をほかの業界にも広げようと、インターネットや友人を通じて、採用計画のある企業の情報集めを急いでいます。
ただ、新型コロナウイルスの影響で企業の合同説明会が中止になり、OB訪問もできない中、限られた時間で、自分に合った企業を探し出せるのか不安も感じているといいます。
井元さんは、「業種を絞って準備をしていたので悔しい気持ちはある。ただ、こういう機会だからこそ、企業のいろいろな面が見えると思うので、学んできたことを生かして今から頑張っていきたい」と話していました。