2023年08月04日
インターンシップの問い合わせやOB・OG訪問の申し込み…就活でメールを書かなきゃいけないんだけど、そもそも、どうやって書けばいいのか分からない…。ビジネスメールを書く上で押さえておくべき基本について、専門家に聞きました。
学生
西條
それではよろしくお願いします。
まずはメールの「件名」について見ていきましょう。
平野さん
確かに、どう書いたらよいか迷うことがあります。
ここで心がけてほしいのは「何を」「どうしてほしいか」を具体的に書くことです。
なるほど、詳しく教えてください。
平野 友朗
日本ビジネスメール協会代表理事、アイ・コミュニケーション代表取締役。ビジネスメール教育の専門家として、ビジネスメールの書き方や送り方、効率化の方法などを指導。年間150回以上の研修やセミナーに登壇。
例えば、わたしが取材依頼のメールを受け取ったとします。
このメールの件名が「取材について」だと、いつの取材依頼か分からないし、何の取材かも伝わってこないわけです。
「○月○日○○取材のご相談」って書いてあれば、件名からその内容を予測することができます。
きちんと件名が書いていないと、メールの送り主が何を求めているのか分からないばかりか、忙しい場合には最悪、放っておかれて返事がこない可能性もあります。
学生
田嶋
「○○について」ってすごく使っていました…
内容が抽象的だと相手が理解するまでに時間がかかってしまうので、やめたほうがいいと思います。
あまり詳しく書くと件名が長くなりすぎてしまいそうです。
だいたい20字ぐらいを目安に「いつの」「何を」「どうしてほしいか」の要素を入れることを意識しましょう。
「報告」「相談」「依頼」のようなワードが入っていると、件名を見ただけで、相手が求めているアクションが分かりますよね。
「件名=用件そのもの」って考えてもらえると分かりやすいと思います。
メール本文については、どんなことを意識すべきですか?
1つ1つの項目に分けて、順番に見ていきましょう。
まず①宛名がありますね。
これがあることで、自分宛ての文章だということが分かります。
相手の名前を書く際、会社名や部署名から書いたほうがいいんでしょうか。
そうですね。やっぱりきちんと書いたほうがよい印象を与える可能性があります。
会社名・部署・役職・フルネーム様、ときちんと書くほうがいいと思います。
何回もメールが続いたときも、○○様ってつけたほうがいいのですか?
最低限、名前と「様」だけはつけてほしいですね。
返信に宛名がなくて「分かりました」だけだと、雑な印象を相手に与えてしまう恐れがあります。
次の②あいさつは③名乗りとセットで考えます。
これによってお互いの関係性が分かるんですよね。
関係性?
例えば「初めてご連絡します」って書いてあったらこの人は初めてなんだなとか、「お世話になっております」って書いてあったら過去に取り引きがあった人かな、とか。
そういうことですね。
そのあとの、④要旨では「今から私はこのことについて書きますよ」と宣言します。
例えばさっきの例だったら、〇月〇〇日の取材についてご相談です、と書く。
件名に書いたから、本文では省略してよいと思う人もいるかもしれませんが、件名を見ない人もまれにいますので、念のため、用件の全体像を伝えたほうが無難です。
なるほど。
次の⑤詳細では、その内容について書きます。
ここではパッと読んで用件が伝わるような、読みやすい文章を意識することが大切です。
長すぎない文章を書くということですか?
長さというよりは、読める速さが大事なんです。
長さを気にしすぎてただ短いだけの文章になってしまうと、内容がちゃんと伝わらない恐れもあるので。
内容ごとに文章を区切って改行する。その際、ちゃんと行間を空ける。
伝えたいことが複数ある場合にはそれを分かりやすく箇条書きにする。
このような工夫があると、忙しくてもちゃんと目を通してもらえると思います。
読みやすいメール=読まれるメールなんですね。
そして⑥締めのあいさつ。
「よろしくお願いいたします」だけだと、「何がよろしくなの?」となってしまう可能性があります。
なので、「ご回答のほど、よろしくお願いいたします」もしくは「ご検討のほど、よろしくお願いいたします」といったように、相手に求めるアクションもプラスして書いておくとよいです。
相手に何を求めているかを、最後にもう一度書くということですね。
そうですね。その上でやりとりがまだ続くなら「引き続き」、やりとりが一旦終わるなら「今後とも」ということばをつけると、いいですね。
最後の⑦署名ですが、やっぱり学生でもつけたほうがいいんですか?
そうですね。名前だけだと、この人は実在するのかということが分からず、読み手に不信感を与えてしまう恐れがあります。
社会人の場合は、名刺と同程度の情報を署名として書くのが一般的です。
学生のみなさんも相手が採用担当者の場合には、大学名、学部名、自宅の住所、電話番号までしっかり書くとよい印象を与えると思います。
ビジネスメールは、いま紹介した7つのパーツで構成されています。
お願いや断り、苦情を伝えるときなど、どんなメールでもこの7つの情報をちゃんと入れることが大事です。
ありがとうございました。
「メールの書き方講座」次回は、メールを送信する際のマナーについてお伝えします。
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