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コラム ベビーカーでバスに乗ってみたら・・・

こんにちは、記者の岡田真理紗です。 今回は、ベビーカーでバスに乗ることについて取り上げたいと思います。きっかけは、こちらの投稿でした。

yceさん (30代・東京都)
ベビーカーでのバス移動は大変。乗車するとき、降車口を開けてもらえない。開けてもらうために、ベビーカーに子供を残したまま母親が乗車口に回って、運転手へ声かけなければならない。降車口にインターホンの用意があるが、聞こえてないこともある。
ベビーカーを乗せると案の定、ベビーカー固定の座席は埋まってしまう。
他の席(優先席含め)は空いているので、「出来れば自分も座りたい」と心に秘めつつ、車内でベビーカーの置場所は固定用の座席付近に限られるので、座っている方を通せんぼするように、ベビーカーを設置する。降りられる方やバス後方に移動する方に遠慮しながら、乗車する気苦労。
ベビーカーに疲れて眠ってしまった長女(3歳)を乗せて、生後5か月の長男を抱っこしながら移動した時のことです。なるべくご迷惑にならないよう、配慮していますが、二人連れでこんなに苦労しなければいけないのでしょうか。抱っこしたまま、13kgあるベビーカーを持ち上げて乗車するために、すぐに開けてほしい降車口ドアが開かなく、乗車口に回らなければいけない。
抱っこしたまま立ち乗車しなければならない状況、なんとかならないものでしょうか」

実は私は、家の目の前にバス停があるのですが、ベビーカーを乗せたことはありませんでした。我が家のベビーカーは大型で、両手でたたむタイプだったので、片手で子どもを抱っこしながら1人でたたむのは不可能。バスに乗るなら必ずたたまないといけないと思っていたので、ベビーカーで外出するときは、バスなら10分かからない道のりを、30分以上歩いて移動していました。
その後、帰省用に、折りたたみ式のベビーカーも購入したのですが、バスに抱いていた苦手意識はそのままで、はじめから選択肢に入れていませんでした。

そこで、バス各社のホームページを見てみると、「たたまずに乗車できます」と書いてありました。

また、乗り方としては
・乗車口で待ち、運転手に声をかけてから乗る
・降車口前の、ベビーカーの固定用の場所に後ろ向きに止め、ストッパーをかける
・ベビーカーを、補助ベルトで固定する

などなど、お作法があることも書いてありました。
百聞は一見にしかずと、まずは私もベビーカーでバスに乗ってみることにしました。

実行したのは、平日の午後3時ごろ。使ったのは、折りたたみ式のベビーカーです。
金曜日だったので、保育園から持ち帰る荷物が多く、それをベビーカーに引っかけている状態。これだと、やはり、たたまずに乗れたらありがたいところです。

詳しい人の視点でも見てほしいと思い、バスをめぐる現状について伝える、「路線バス」のサイトを担当している後藤岳彦記者に同行してもらいました。
「路線バス」サイト
https://www3.nhk.or.jp/news/special/bus/index.html

乗車したのは、2つのJRの大きな駅を、30分程度かけて結ぶ路線です。 バス停で待っていると、バスが来ましたが・・・ほぼ満員で、とてもベビーカーが乗れなさそう・・・
仕方なく1本見送り、次に来たバスが比較的すいていたので乗車しました。
後藤記者いわく、「まずはバスの前の乗車口から運転手に声をかけるとスムーズです」。
乗車口で運転手さんと目が合うと「そのまま乗って」という感じで促されました。

前の乗車口にも階段がないバスだったので、そのまま乗車できましたが、地面との段差があるので、ベビーカーを30センチほど持ち上げて乗る必要があります。

事前に見た、バス会社のホームページの「乗り方」を思いだし、車内の中央、降車口の前の座席の横に、進行方向と逆、後ろ向きになるようベビーカーを止めて車輪にロックをかけます。

しかし、ベルトが見当たらない?
後藤記者が「これがベルトですよ」と教えてくれたのは、座席に引っかかっている青いベルト。なんの説明もなく付いているように見えたので、1人だったら気づきませんでした。
使い方がよくわからなかったのですが、ベルトをベビーカーの持ち手に引っかけてカチっと止め、隣に立ちました。

結構スピードが出る路線だったので、立っているとふらつきます。片手でベビーカーを持ち、片手でつり革につかまらないと危ないと感じましたが、ベルトで固定したことで少し安心感がありました。途中、座席に座っていたお客さんが降りるときは、ベビーカーがとっても邪魔になるので、よけるのが大変でした。

投稿してくださった方は
「他の席(優先席含め)は空いているので、「出来れば自分も座りたい」と心に秘めつつ、車内でベビーカーの置場所は固定用の座席付近に限られるので、座っている方を通せんぼするように、ベビーカーを設置する」と書いていました。
たしかに、後ろの席などは空いているのですが、ベビーカーを固定してしまうと保護者もそこから動けません。
バスの構造上、仕方ないのかも知れませんが、ベビーカーを置ける場所が限定されているので、もし先に乗っている方がいたり、人が立っていたりしたら大変だな・・・と感じました。

ともあれ、そこまで混んでいなかったこともあり、なにごともなく目的地に到着。
降りるとき、前にいた、5歳くらいの女の子を連れたお母さんが、「大丈夫ですか?」と、ベビーカーを持って一緒に降りてくれました。ひとのやさしさに触れてこころが温かくなりました。

また、降りたバス停の近くにいると、後から来たバスが停車。運転手さんが私に気づき、車外に向けたマイクで「ベビーカーもどうぞ、そのまま乗れますよ~」と声をかけてくれました。降りたばっかりだったのでお礼を言って見送りましたが、こういう一言があると、安心しますね。

バスに詳しい後藤記者は「やはり長距離のバスは、時間通り運行するために結構飛ばしますね」と指摘。「あと、ベルトについては、ベビーカー利用者にわかるように、もっと説明をつけた方がいいですよね」と後藤記者。
実は後から、「ベビーカーご利用のお客様へ」という説明書きが貼ってあったことに気づいたのですが、座席の真横、下の方に貼ってあったので、人が座っていると隠れてしまい、見ることができなかったのです。

今回、乗ってみて、「意外と大丈夫なんだな」という感想を持ちました。私自身の、バスに対する苦手意識は克服できました。
しかし、バスが混んでいなかったことや、バスに詳しい後藤記者がいてくれたことなど、条件がそろっていなかったらおそらく大変でした。子どもが複数いたり、大きな荷物を持っていたりしたら、さらに大変だと思います。投稿してくれた方は、5か月のお子さんを抱っこしながら、3歳のお子さんを乗せた13kgあるベビーカーを持ち上げて乗ったというから、もっともっと大変だったでしょう。
さらに、私が乗ったバスは、ノンステップで、乗車口から乗れましたが、投稿した方は、おそらく乗車口に段差があるバスで、乗車口に回って運転手に声をかけ、後ろの降車口を開けてもらわないと乗れなかったのだと思います。2人の子どもを連れて、バスの列を右往左往するのは、たしかにつらい。

後藤記者によると、路線バスは赤字で廃止されたり、黒字でも人手不足で維持するのが大変だったりと、苦しい状況にある会社が多いそうです。
ベビーカーが気軽に乗れるようになったら、乗る人も増えて、バス会社にとっても嬉しいのではないか?と感じましたが、現状ではなかなか「乗りやすい」とまでは言えなさそうです。

バスに乗った方が便利なことがたくさんあるので、できれば乗りたいけど、揺れるし、荷物の多いときは、子どもを抱っこしてベビーカーをたたむのはなかなか厳しい。
ただ、「いついかなるときも、ベビーカーを広げて乗車させてほしい!」と強く言えるほどは、車内が広くないことも感じました・・・。車内の床に段差があることなど、バスの構造上、仕方ないことも多いですよね。
この話題、まだまだ取材を続けていきたいと思います。
皆さんは、お子さんを連れているとき、どのようにバスを活用されていますか?
よろしければ是非体験やご意見をお寄せ下さい。
投稿フォームへはこちらから。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/kosodate/index.html#form

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