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2018年12月19日判決2017年衆院選「1票の格差」は違憲か

どんな
裁判か

  • 2017年10月の衆議院選挙でいわゆる1票の格差が最大で1.98倍だったのは法の下の平等を定めた憲法に反するか
  • 最高裁大法廷は「合憲」と判断
  • 15人の裁判官のうち1人が「違憲で選挙は無効」、1人が「違憲」、2人が「違憲状態」とし、意見が分かれた

去年10月の衆議院選挙では、選挙区によって議員1人あたりの有権者の数に最大で1.98倍の格差があり、2つの弁護士グループが「投票価値の平等に反し、憲法に違反する」として、選挙の無効を求める訴えを全国で起こしました。
最高裁判所大法廷は「選挙の前の年などに行われた法律の改正は投票価値の平等を確保するという要請に応えつつ、選挙制度の安定性を確保する観点から、徐々に是正を図ったと評価できる」と指摘。1票の格差は憲法に違反しないと判断し、訴えを退けました。

最高裁は、2020年の国勢調査の結果に基づいて都道府県への議席の配分を行う「アダムズ方式」が今後、採用されることについて、「格差を相当程度、縮小させ、その状態が安定的に続く」として、「合憲」の大きな理由としました。
一方、15人の裁判官のうち、1人が「憲法違反で選挙は無効」としたほか、1人が「憲法違反」、2人は「違憲状態」という意見を述べ、判断が分かれました。
最高裁は、2014年までの3回の衆議院選挙を「違憲状態」と判断していて、「合憲」の判断は2005年の選挙以来でした。

アダムズ方式とは

「アダムズ方式」は、アメリカの第6代大統領ジョン・クインシー・アダムズが考案したとされる議席配分方式で、フランスなどで採用されています。人口に応じて議席を配分する方法の1つで、都道府県の人口を基準値で割り、小数点以下を切り上げるなどして議席を決めます。各都道府県に必ず1議席以上が配分され、人口の少ないところに有利に働くのが大きな特徴です。

この裁判についての最高裁判所の資料はこちら(資料①資料②
(NHKサイトを離れます)

審査対象の裁判官たちの判断は

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