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2019年1月23日決定“戸籍の性別変更には手術必要” 法律は憲法違反か

どんな
裁判か

  • 心と体の性が一致しない性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには、生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする法律の規定が憲法違反か
  • 最高裁第2小法廷は「憲法に違反しない」とする初めての判断を示した
  • 裁判官4人のうち2人が「現時点では憲法に違反しないが、その疑いがあることは否定できない」とする補足意見

審判を申し立てていたのは、心は男性、戸籍上の性別は女性で、性同一性障害と診断された人です。戸籍の性別を変更するには、生殖腺を取り除く手術を受ける必要があるとする法律の規定は憲法に違反するとして、手術をしないまま性別を男性に変更するよう裁判所に申し立てました。
最高裁第2小法廷は「法律の規定は、変更前の性別の生殖機能によって子どもが生まれると社会に混乱が生じかねないことなどへの配慮に基づくもので、規定の目的などを総合的に検討すると、憲法に違反しない」とする初めての判断を示し、申し立てを退けました。
一方で、4人の裁判官のうち2人(1人は退官済み)は、「現時点では憲法に違反しないがその疑いがあることは否定できない」とする補足意見を書きました。

この裁判についての最高裁判所の資料はこちら(NHKサイトを離れます)

審査対象の裁判官たちの判断は

  • 裁判長三浦 守

    合憲 補足意見あり

    手術は憲法で保障された身体を傷つけられない自由を制約する面があり、現時点では憲法に違反しないがその疑いがあることは否定できない。人格と個性の尊重の観点から社会で適切な対応がされることを望む。

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