審査対象の11人が
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2019年6月25日決定“大崎事件”で有罪確定
女性の再審認めるか

どんな
裁判か

  • 1979年に鹿児島県大崎町で義理の弟を殺害した罪などで有罪判決が確定した女性が、無実を訴え再審(裁判のやり直し)を求めた
  • 1審・2審は再審を認めたが最高裁第1小法廷は5人の裁判官全員一致で「再審認めない」と決定
  • 1審・2審で再審が認められた決定を最高裁が取り消すのは異例

裁判のやり直しを求めていたのは原口アヤ子さん(最高裁決定時92歳)。1979年、鹿児島県大崎町で当時42歳の義理の弟を首を絞めて殺害したとして、殺人などの罪で懲役10年の刑が確定して服役しましたが、一貫して無実を訴えていました。
1審の鹿児島地裁が再審を認めたのに続いて、2審の福岡高裁宮崎支部は、弁護側が提出した遺体の鑑定結果を新証拠にあたると判断し「被害者の死因は首を絞めたものではなく、自転車で溝に転落した事故による可能性が高い」として、再審を認める決定をしました。

最高裁第1小法廷は「新たな鑑定結果は、遺体を直接調べたものではなく、証明力には限界がある」と指摘しました。その上で、「共犯者の自白などは客観的状況にもあっていて信用性は固く、新たな鑑定結果で共犯者の自白などに疑問が生じたというには無理がある」として、再審を認めない決定をしました。5人の裁判官の全員一致の意見でした。
地裁と高裁でいずれも再審が認められた決定を最高裁が取り消すのは、1975年に「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則が再審の判断にも適用されるようになってからは初めてとみられます。
原口さんは「私は無実です。死ぬまで頑張ります」として、3度にわたって再審を求める訴えを起こし、地裁と高裁で、あわせて3回、再審が認められていました。

この裁判についての最高裁判所の資料はこちら(NHKサイトを離れます)

審査対象の裁判官たちの判断は

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