皇位継承者に託される思い

今の憲法のもと初めて象徴天皇として即位した上皇さまは、新たに即位された天皇陛下をはじめとする皇位継承者に象徴のあるべき姿を求め、先立つこの時代の象徴像を補い続けていってほしいという願いを託されています。

皇居宮殿 石橋の間 平成21年(2009)11月

10年前の平成21年(2009)に行われた即位20年にあたっての記者会見で、上皇さまは、将来の皇室の在り方について「皇太子とそれを支える秋篠宮の考えが尊重されることが重要と思います」と述べたうえで、「二人は長年、私(わたくし)と共に過ごしており、私を支えてくれました。天皇の在り方についても十分考えを深めてきていることと期待しています」と述べられました。

また、4月30日の退位が決まり、天皇として最後となった平成30年(2018)の85歳の誕生日を前にした記者会見で「新しい時代において、天皇となる皇太子とそれを支える秋篠宮は共に多くの経験を積み重ねてきており、皇室の伝統を引き継ぎながら、日々変わりゆく社会に応じつつ道を歩んでいくことと思います」と述べ、即位された天皇陛下と新たに皇嗣となられた秋篠宮さまへの期待をあらわされました。

東京 国立劇場 平成31年(2019)2月24日

そして平成31年(2019)2月24日に開かれた在位30年を記念する政府主催の式典で、「憲法で定められた象徴としての天皇像を模索する道は果てしなく遠く、これから先、私を継いでいく人たちが、次の時代、更に次の時代と象徴のあるべき姿を求め、先立つこの時代の象徴像を補い続けていってくれることを願っています」と述べられました。

一方、上皇后さまも、平成30年(2018)の誕生日にあたって寄せた文書で、「5月からは皇太子が、陛下のこれまでと変わらず、心を込めてお役を果たしていくことを確信しています。私も陛下のおそばで、これまで通り国と人々の上によき事を祈りつつ、これから皇太子と皇太子妃が築いてゆく新しい御代の安泰を祈り続けていきたいと思います」と述べられました。

  • 平成時代に願われたこと

  • 退位後のお立場

  • 退位のお気持ち表明後のおことば

  • 退位の意向にじんだお気持ち