天皇ご一家の横顔
天皇陛下
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天皇陛下は誰とでも分け隔てなく接する気さくな人柄で知られています。
趣味の1つは登山で、富士山や伊吹山など、これまでに170以上の山々に登られたということです。登山の途中、出会った登山者にも気さくにことばをかけられるということです。
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平成29(2017)年9月には、山小屋で1泊して、標高2646メートルの八ヶ岳連峰の天狗岳に登られました。険しい岩場もあり、同行した職員の中には息を切らす人もいましたが、天皇陛下は健脚を披露し、山頂では雄大な風景を写真に収めて「本当に景色がいいところですね」とすがすがしい表情で話されました。
皇陛下は、体を動かして健康を維持することを心がけていて、お住まいがある赤坂御用地内でジョギングもされています。
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平成27(2015)年には皇居の周りをジョギングする「皇居ラン」を楽しみ、白い帽子にスポーツウエア姿で走りながら、通りがかった人たちに笑顔で手を振って応えられていました。
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平成30(2018)年6月にはリオデジャネイロパラリンピックのマラソン女子の目に障害のあるクラスで銀メダルを獲得した、道下美里選手の伴走者として、赤坂御用地内で一緒にジョギングをされました。宮内庁によりますと天皇陛下は「障害者スポーツに対する理解をさらに深めることができました。自分自身の世界もひろがったと思っています」などと感想を述べられたということです。
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天皇陛下は音楽も好きで、みずからもビオラを演奏されます。大学時代には学習院大学の音楽部に所属し、卒業後も「学習院OB管弦楽団」でビオラを担当して、たびたびステージで演奏を披露されてきました。
長女の愛子さまもチェロを演奏されていて、天皇陛下と愛子さまが同じステージで演奏されたこともありました。
また水をめぐる問題や歴史の研究者でもある天皇陛下は平成15年からほぼ毎年、学習院女子大学でみずからの専門分野などをテーマに講義をされてきました。
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即位を前にことし1月には最後の講義が行われ、天皇陛下はみずからの長年の研究活動を通して大切にしてきた歴史資料を丁寧に読み解くことの重要性について学生たちに伝えられました。
講義の最後、天皇陛下は「真理を探究していくということに大きな魅力を感じていますし、私の本当にやっていきたいことの一つであるという風に思っています。皆さんには学生時代、またこれからの社会生活で本当にやってみたいことに出会われることを願っています」とメッセージを送られました。
皇后さま
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皇后さまは、天皇陛下の誕生から3年後の昭和38年12月9日、外交官だった小和田恆(おわだ・ひさし)さんの長女として誕生されました。
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幼い頃から海外で暮らし、アメリカのハーバード大学を卒業したあと、昭和62年に外交官となり、外務省に勤務されました。
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皇后さまはアメリカとの経済交渉を担当する部署に配属され、激しい議論が交わされた日米半導体協議にも参加するなど、外交の第一線で活躍されました。
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平成5年、天皇皇后両陛下の婚約が発表されると、各地は祝賀ムードに包まれました。仕事のやりがいと結婚との間で気持ちが揺れていた皇后さまに対し、天皇陛下は「皇室にはいられるということには、いろいろな不安や心配がおありでしょうけども、雅子さんのことは 僕が一生全力でお守りしますから」と伝え、皇后さまの決断を後押しされました。
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この年の6月9日、天皇陛下が33歳、皇后さまが29歳の時、お二人は結婚され、皇后さまは上皇后さまに続く民間出身の皇太子妃となられました。
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結婚の儀式に続いてパレードが行われ、両陛下は、沿道に詰めかけた20万人近い人たちから祝福を受けられました。
皇室に入ったあとも、語学力をいかして外国からの賓客などと親しく懇談されています。
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結婚から8年が経った平成13年(2001)12月、長女の愛子さまを出産すると、愛子さまの成長を支え続けられてきました。愛子さまが学習院初等科で、通学に不安感を抱かれていたころには、連日学校に付き添い、対応に尽くされました。
また、皇后さまは子ども好きでも知られています。平成7年に皇太子妃として福島県の盲学校を訪ねられた際には「雅子さまって、どんな顔をしているの?」と聞いてきた少女の手を取って優しく自分のほおに当てられる出来事がありました。
平成12年には東京の水族館で、遊びに来ていた男の子にだっこをおねだりされるとほおを寄せて両手で抱きかかえられるというひと幕もありました。
また、東京都内にある病院の小児科病棟をたびたび訪ね、子どもたちを励まされてきました。皇后さまは平成30(2018)年の誕生日にあたって寄せた文書で、「最近、国内では、子供の虐待や子供の貧困など、困難な状況に置かれている子供たちについてのニュースが増えているように感じており、胸が痛みます」と弱い立場にある子どもたちへの思いをつづられました。
ご一家で、動物を大切にしていて、以前からお住まいで飼われています。現在は犬の「由莉」(ゆり)、それに猫の「みー」と「セブン」の世話をしていて、このうち「由莉」は、保護されていた動物病院から引き取られたという経緯があります。
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天皇陛下や皇后さまの誕生日などにあたって公開される映像にたびたび登場し、平成30年(2018)の皇后さまの誕生日にあたって公開された映像にも、両陛下が「由莉」を前にして笑顔を見せられている様子が収められています。
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両陛下は平成30年(2018)、結婚から25年を迎え、仲むつまじいご夫婦として知られています。皇后さまは平成10年の誕生日にあたっての記者会見で、夫婦円満の秘けつを尋ねられたのに対し、「犬がいるというのも夫婦の中にとって、とても良いように思います。よく 『夫婦喧嘩は犬も食わぬ』と申しますけれども、喧嘩の種は割とよく拾って食べてくれるような気がいたします」とユーモアを交えて話されています。
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平成30(2018)年、結婚から25年を迎えるにあたりお二人で寄せられた文書の中で、皇后さまは、体調を崩してからも優しく細やかな心遣いで支えてくれた天皇陛下に感謝の気持ちをあらわされました。皇后さまはかつての上皇ご夫妻のやりとりを引き合いに出して、「天皇皇后両陛下のご成婚25周年の折に、陛下に皇后様が差し上げられた『感謝状』という言葉以上に私の気持ちに相応しい答えが見つかりません」などと述べられていました。
愛子さま
天皇皇后両陛下の長女の愛子さまは健やかに成長されています。
この春、学習院女子高等科の3年生になり、学校の課題や予習・復習など勉学に励まれているということです。
学校行事にも積極的に参加し、令和元(2019)年9月に開かれた運動会では、バスケットボールを使った「ドリブル競争」という競技などで愛子さまのチームが優勝し、チームの代表として表彰を受けられたということです。
平成30(2018)年の修学旅行では、奈良県と京都府を訪れて寺や神社など多くの文化遺産を見学し、日本の歴史や文化にも触れられました。
愛子さまは、戦争の悲惨さや平和の尊さについても学び、上皇ご夫妻や両陛下が大切にされてきた思いを受け継がれています。
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学習院女子中等科の卒業文集には、修学旅行で広島市の平和公園を訪れた経験について、「世界の平和を願って」という題の作文を寄せ、「唯一の被爆国に生まれた私(わたくし)たち日本人は自分の目で見て、感じたことを世界に広く発信していく必要があると思う」などと記されました。
愛子さまは、上皇さまが皇太子時代の記者会見で日本で記憶しなければならない4つの日として挙げられた、▽終戦の日と、▽広島、長崎の原爆の日、▽沖縄戦で旧日本軍の組織的な戦闘が終わったとされる6月23日の「慰霊の日」に加え、▽東日本大震災と阪神・淡路大震災が発生した日には、毎年欠かさず黙とうされています。
また、国際感覚も身につけようとされています。平成30(2018)年の夏休みには、3週間近くイギリスに滞在して英語教育のサマースクールに参加し、英語の授業を受けたほか、体験学習でイギリスの文化や歴史、社会に触れられました。
さらに、お住まいでは両陛下が夕食に招かれるなどした外国の王族とたびたび歓談し、学校生活などに関する質問に英語で答えられたということです。
一方、休日などには、側近の宮内庁の職員とソフトボールなどを楽しんでいるほか、お住まいの隣にある職員が勤務する事務所に顔を出されることもあるということです。
また春休みには静養先の長野県で毎年のように両陛下とスキーを楽しまれています。
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愛子さまは3歳の頃からスキーを楽しんでいて、令和元(2019)年3月には、奥志賀高原などで上級者向けのコースをスムーズに滑られたということです。
ことし8月にお住まいのある赤坂御用地で行われた宮内庁の防災訓練には天皇陛下とともに参加し、職員に交じって消火器を使って火を消す訓練などにも加わられました。
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