新たな皇室のお住まいは

天皇陛下は、現在、赤坂御用地にあるお住まいからおよそ3キロ離れた皇居に出向いて、宮殿での公務や宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)に臨まれていますが、今後、天皇ご一家は上皇ご夫妻とお住まいを入れ代わられることになっています。

入れ代わり後のお住まい 赤坂御用地の上皇ご夫妻のお住まいの名称は「仙洞御所」に

まず、上皇ご夫妻が、今後、皇居にあるお住まいを出て、東京 港区の「高輪皇族邸」に仮住まいされます。「高輪皇族邸」は、かつて、上皇さまの叔父にあたる高松宮(たかまつのみや)と高松宮妃が暮らした邸宅で、平成16年以降、お住まいとしては使われていませんでした。

高輪皇族邸 東京 港区 平成30年(2018) 11月撮影

建物の改修や新たな事務棟の建設など、仮住まいとしての整備はすでに終わっていて、現在、上皇ご夫妻が引っ越しの準備を進められています。引っ越しは、一連の新年行事が終わる来年1月中旬から3月末までの間に行われる予定です。

そして、上皇ご夫妻が「高輪皇族邸」に移られると、今度は皇居のお住まいの改修工事が行われ、完了すると、天皇ご一家が入られます。この改修には9か月程度かかると見込まれています。

吹上仙洞御所 平成31(2019)年4月撮影 天皇陛下ご一家が入られた後は「御所」に

上皇ご夫妻が入られる赤坂御用地のお住まいの改修工事は、天皇ご一家が皇居に移られてから始まり、4か月程度かけて行われる見込みです。上皇ご夫妻の仮住まいの期間は1年半以内となる見通しです。

東京 港区 赤坂御所 平成29(2017)年6月撮影 上皇ご夫妻が入られると「仙洞御所」に

また、皇位継承順位1位の「皇嗣(こうし)」となられた秋篠宮さまの赤坂御用地内にあるお住まいについては、活動が拡大することなどを踏まえて増築工事が行われます。秋篠宮さまが来客と面会される際などに使われている、同じ敷地内にある建物についても、お住まいの一部として使えるよう改修工事が行われる予定です。

東京 元赤坂 秋篠宮邸 平成18年(2006)9月撮影

これらの工事は、令和元年度から3年かけて行われる予定で、秋篠宮ご一家は令和元(2019)年2月から敷地内に新たに建てられた施設に仮住まいされています。

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