象徴天皇・公務へのお考え
天皇陛下は、これまで記者会見などで象徴天皇のあり方や新たな公務について考えを示されてきました。
昭和60(1985)年11月、イギリス留学から帰国した際の記者会見で、当時25歳の天皇陛下は、将来の皇室のあり方について尋ねられ、「これから先は国民の中に入っていく皇室ということが必要であると思いますし、それには、いろいろな場を通していろいろな方々と接するということが非常に大切になってくるのだと思います」と述べられました。
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平成に入って皇太子として精力的に公務に臨み、平成13(2001)年の記者会見では、今後の皇室像について、「時代の要請を的確に感じとり、物事の本質を見極め、精神的なよりどころとしての役割を果たしていくことが大切だと思います」としたうえで、「時代に即した公務の内容というものも考えていく必要があるのではないかと思います」と話されました。
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また平成17(2005)年の記者会見では、みずからの関心のある分野として「水の問題を含む環境問題」、「子どもと高齢者に関する事柄」、「国際的な交流や友好親善」、「産業・技術面での新しい動き」の4つを挙げ、「新たな要請がある場合には、積極的に考えていきたい」と述べられました。
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そして、平成22(2010)年の記者会見では、「象徴天皇」のあり方について問われ、「過去の天皇が 歩んでこられた道と、そしてまた、天皇は日本国、そして国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致して、国民と苦楽を共にしながら、国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、その望ましい在り方を求め続けるということが大切なのだと思います」と述べられました。
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天皇陛下はその後も記者会見で象徴について自らの考えを述べ、即位を前にした平成31(2019)年2月の記者会見では、新たな時代に臨む決意などを問われ、「これからのことを思うと、とても厳粛な気持ちになりますが、引き続き自己研鑽に努めながら、過去の天皇のなさりようを心にとどめ、国民を思い、国民のために祈るとともに、両陛下がなさっておられるように、国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、あるいは共に悲しみながら、象徴としての務めを果たしてまいりたいと思います」と話されました。
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そして、令和元(2019)年5月1日、天皇陛下は、即位後初めて国民を代表する人々と会う「即位後朝見(そくいごちょうけん)の儀」に臨み、「皇位を継承するに当たり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望いたします」と述べられました。
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