カマラ・ハリスKamala Harris

上院議員

 西部カリフォルニア州出身

顔写真:カマラ・ハリス(Kamala Harris)

民主党若手のホープ

ハリス氏は、西部カリフォルニア州オークランド生まれの56歳。

カリフォルニア大学のロースクールを卒業後、検察官として活躍し、2011年からの6年間、女性として初めてカリフォルニア州の司法長官を務めた。
みずからを「革新的な検察官」と呼び、薬物犯罪で逮捕された若者を収監せず職業訓練などで更生させる施策に取り組んだほか、警察官にボディーカメラの着用を義務づける警察改革などを進めてきた。

2016年にカリフォルニア州選出の上院議員に当選。現在1期目ながら民主党の若手のホープとされている。
政治的な立ち位置は、民主党内ではバイデン氏に近い中道寄りの穏健派とされる。一方で、分野によっては左派的な政策も掲げ、中道と左派の間で時に立ち位置を変える姿勢が、日和見主義だと批判されることもある。
また、検察官や司法長官としての経歴を評価される一方、抜本的な警察改革は実現できていないという批判もある。

多様性の象徴

インド出身のがん研究者の母親と、ジャマイカ出身の経済学者の父親の間に生まれた長女。カマラというのは、母親がつけた名前で、サンスクリット語で「蓮(はす)」とヒンズー教の女神の両方を表しているという。

両親は、ハリス氏が7歳のときに離婚。その後は3つ年下の妹と共に、ほとんど母親1人の手で育てられたという。
ハリス氏は、自身に大きな影響を与えた人物として母親の名前をあげ、母親から教わったことば、「あなたは多くを成し遂げる初めての人になるかもしれないが、最後の人にならないようにしなさい(後継のために道を開きなさい)」を座右の銘にしていると話す。

幼いころから黒人向けのキリスト教の教会と、ヒンズー教の寺院に通い、両方のアイデンティティーを培ってきたという。

小学生のときには、黒人が多く住む地域の子どもを白人の多い地域の小学校にバスで通学させる制度の対象になっていた。
今回の大統領選挙では、当初民主党の候補者選びに名乗りをあげ、討論会でバイデン氏が過去にこうしたバス通学制度に反対していたなどとして批判。弁舌の鋭さを示し、一時、支持率で2位に躍り出た。
しかし、このときの経緯から、バイデン氏との間に依然わだかまりが残っているのではないかと懸念する声もある。

血のつながりのない子どもたちの「ママラ」

2014年には弁護士の男性と結婚し、男性の前の結婚相手との間に生まれた血のつながりのない2人の子どもがいる。
家族内では、子どもたちに「ママ」と自身のファーストネーム「カマラ」を掛け合わせた「ママラ」と呼ばれているとしている。
休みの日曜日の夜には家族とともに料理をするのが恒例で、夫とともに得意料理のローストチキンを作る動画もSNS上に公開している。

(国際部記者 藤井美沙紀)