人の助けがなければ、その文化に飛び込むのは難しい。だから僕を導いてくれた人々に恩返ししたい

ジョシュ ホーキンソン

バスケットボール #苦しいとき

世界を相手に見せた逆転劇。
48年ぶりの快挙。

この夏、日本中を沸かせたバスケットボール男子日本代表の快進撃を支えたのが、アメリカ出身の28歳、ジョシュ ホーキンソンだ。

ワールドカップの5試合で平均出場時間は34分を超え、得点はチーム最多の1試合平均21点。身長2メートル8センチの高さを生かし、リバウンドでもチームに貢献した。

ことし2月に日本国籍を取得し、日本代表としてプレーしたホーキンソンは、2017年、日本のB2でプロバスケットボール選手としてのキャリアをスタートさせた。

しかし、来日当時は、1人異国で暮らしながら、プロ選手としての生活を送ることの両立に苦労し、ホームシックになったという。

「あれは本当に大変な時期だったと思う。ホームシックのせいでバスケットボールに悪影響が出て、バスケットボールをするのがあまり楽しいと感じられなくなっていた」

そんな、ホーキンソンの支えとなったのは、同じく海外でプロバスケットボール選手としてプレーした経験を持つ父親だった。

「父はプロバスケットボール選手としてのあり方や、振る舞い方についてアドバイスをくれた。そして外に出て、新しいことや文化に触れてみるようにアドバイスしてくれた。それを始めてから、日本がもっと好きになって、日本にいることが楽しくなった」

父からのアドバイスを受けて徐々に日本での生活になじんでいったホーキンソン。選手として少しずつステップアップしていく中で、ある思いを抱くようになったという。

「他の人の助けがなければ、その文化に飛び込むのは難しい。新しい食べ物を試しに連れていってくれたり、言葉を教えてくれたり、観光に連れていってくれたりと手伝ってくれた人がたくさんいた。だから、僕をここまで導いてくれた人々に心から感謝して、日本代表としてプレーし、活躍することで恩返ししたいと思った」

こう決意したホーキンソンは、日本語を猛勉強して、日本国籍を取得。初めて日本代表として臨んだワールドカップでの活躍で、多くの人たちに知られる存在となった。

ホーキンソンがファンに支持されたのは、得点やリバウンドなど、目に見える数字だけでなく「チームの勝利に貢献するためにできることは何でもしよう」という姿勢を、そのプレー全体で表現したからだった。

そして、新シーズンを迎えたBリーグ。

7シーズン目を迎えたホーキンソンは、新たなチームに移籍し、さらなる高みを目指している。

「日本に来てから、年々成長して、できる限り最高のレベルでプレーしたいと思ってきた。そうして少しずつステップを踏んで今に至る。ここからは毎年優勝を狙えるようにしたいし、それが今いる場所だ」

導いてくれた父や、助けてくれた日本の人たちへの感謝と恩返しのために、Bリーグでも日本代表としてもホーキンソンは飛躍を続ける。

バスケットボール #苦しいとき