このリーグを突破できたら日本中がサッカー一色になる

権田修一

サッカー #自分を奮い立たせたいとき

サッカー日本代表のゴールキーパー、権田修一。
ワールドカップアジア最終予選では10試合中9試合でゴールを守り、日本の7大会連続の本大会出場に貢献した。
その日本の守護神が重視していることはあくまでシンプルだ。

「結果を出すことが 自分の中では1番のプライオリティーなので、そこの部分というのは昔から大事にしている。勝ち続けること、失点を0にし続けること、チームのピンチを防ぎ続けることが 信頼を得るためには1番大事だと思っている」


ことし6月に国立競技場で行われた世界ランキング1位、ブラジルとの強化試合。ネイマールなど豪華なメンバーが顔をそろえ本気の布陣で向かってきたブラジルに対し、日本は0対1で敗れたものの失点はペナルティーキックによる1点のみ。世界トップを相手に流れの中ではゴールを許さなかった。

その試合の内容から“善戦”と捉える人もいたが権田の考えは全く違っていた。

「僕の中ではあれがワールドカップだったらと考えたときに決勝トーナメントでブラジルとあたって『0対1で惜敗しました』、『惜しかったね』、ではない。日本国民はそこを勝って上に行くことを期待していると思うので、そういう意味では、もっとやらないといけない」

権田が特に悔やんだのがネイマールによるペナルティーキックの場面だ。
この試合、押し込まれる展開の中で失点を防いできたが、試合終盤のこの1本は止めることができなかった。

「ペナルティーキックの1本だけだったと、みなさん言うが、その1本を止めていたら 勝てた可能性がもっと広がっていた。日本国民の期待を背負っているという意味では、しっかり止めなければいけなかった」

ペナルティーキックは11メートル足らずの距離から蹴られる。
これに対し、ゴールキーパーは幅7メートル32センチ、高さ2メートル44センチあるゴールを守らなければならない。失点を防ぐためゴールキーパーは右か左にヤマを張って飛ぶのが一般的だ。

圧倒的に不利な場面でも止められなかった自分を責めるのにはわけがある。自分たちのプレー1つ1つが日本中のサッカーへの熱を変える可能性があることを知っているからだ。

24年前の1998年、日本が初めてワールドカップに出場したフランス大会。
当時9歳だった権田はその大会を見て日本代表のユニフォームに憧れたという。
日本代表は今大会、1次リーグでいずれも優勝経験がある強豪のドイツやスペインと対戦し、厳しい戦いが予想されている。

それでも権田は自分たちの力で結果を出すことで、かつてみずからが憧れを抱いた代表選手のように日本を熱狂の渦に巻き込めると信じているのだ。

「サッカーの日本代表、かっこいいなと思ってもらえる大会にしたいし、強豪国と同じになった、すごく難しい1次リーグだが、このリーグを突破できたら日本中がサッカー一色になる期間ができると思う。日本を代表して戦う責任として、しっかりカタールで戦ってきたいと思うし、みなさんが本当に勇気や元気をもらえるような最高の試合をしてきたい」

サッカー #自分を奮い立たせたいとき