世界で一番、僕らが成長している

宮食行次

ゴールボール

パラスポーツの球技、ゴールボール。視覚障害がある選手が鈴の入ったボールを音を頼りに投げ合って得点を競う。男子のトップ選手になるとその球速は時速60キロから70キロに達する。ボールの重さは1キロ余り。体で止める際には、まるで殴られたかのような「ドスン」という音が聞こえる。まさに“静寂の格闘技”だ。

東京大会でパラリンピック初出場となる男子の日本代表、内定選手の宮食行次は、1m82cmの身長をいかしたダイナミックなフォームから緩急を使い分けた多彩な攻撃が強みだ。
2021年2月に開かれた、およそ1年ぶりの大会は新型コロナの影響で海外の強豪国は招待できず、日本代表を2チームに分けた紅白戦となった。
この大会、宮食は2試合で7得点をあげる活躍を見せた。

「合宿を通して、何度も何度も戦ってきている相手が、わかっていても打ち抜けるボールというのを磨いてきたつもりなので、それで点が取れたことはよかった」

海外の強豪国と戦えない今、パラリンピック初出場となる男子日本代表の現在地は、よく見えない。それでも、1年間延期されたことで磨いてきた力への自信からか、宮食は胸を張る。

「僕たちはとてもパワーアップしていると思う。世界で一番僕らが成長していると思うので、ダークホースという立場になると思うが、しっかり金メダルという頂点まで駆け上がっていきたい」

ゴールボール