GET THE CHANCE

原英莉花

ゴルフ

原英莉花は、畑岡奈紗、渋野日向子など女子ゴルフ界を席けんする“黄金世代”の1人だ。今シーズンからボールに刻んでいる言葉がある。

“GET THE CHANCE”

その言葉のとおり、2020年の日本女子オープンでは、同じ黄金世代の小祝さくらとの接戦を制して初の国内メジャー制覇を果たした。

「戦い抜いたということに一番満足していて、あとからメジャーで勝ったことを実感できるのかも」

女子ゴルファー日本一のタイトルを手にした原。「実感はない」といいながらも満面の笑みだった。これが国内ツアー2勝目。1998年度生まれの黄金世代の中では遅咲きだ。

日本女子オープンで3回優勝し、海外ツアーを主戦場にする畑岡。日本選手で2人目となる海外メジャー制覇を果たした渋野。その背中を追いかける日々が続いていた。

「小さいころは成績を残せていなくて、日本女子オープンに初めて出場した時(2015年)は、こんな難しいところで、いつか勝てる日がくるのかと。こんな舞台で戦っている(畑岡)奈紗ちゃんたちがすごいなと思っていました…」

それでも“ジャンボ”こと尾崎将司選手に指導を受けるようになった高校時代から、少しずつその実力を開花させてきた。師匠ゆずりの豪快なスイングから飛び出すドライバーの飛距離に加え、いまではパッティングの技術を修正するなど繊細な技術にも自信をつけてきた。

「負けていられない」

日本女子オープンの最終日で小祝との優勝争いのなかで見せた負けん気の強さも大きな魅力だ。将来は海外ツアーへの参戦も視野に入れる。

「練習と、強い気持ちを持っていれば、上に来られるんだなと感じています。今でも奈紗ちゃんとは差があると思うけど、1歩1歩、詰めていければいい」

名前にもある“花”は「遅咲き」でも、女子ゴルフ界を引っ張る主役へとその花を咲き誇らせようとしている。

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