【詳細】陸上 村竹ラシッド 福部真子 秦澄美鈴が五輪内定

パリオリンピックの代表選考を兼ねて新潟市で開かれた陸上の日本選手権は、最終日の30日、雨の中、各種目で決勝が行われ、
▽男子110メートルハードルで村竹ラシッド選手
▽女子100メートルハードルで福部真子選手
▽女子走り幅跳びで秦澄美鈴選手が優勝し、
いずれもパリオリンピックの代表に内定
しました。

女子800メートルでは、注目の高校2年生、久保凛選手。サッカーの久保建英選手のいとこが中長距離のエース、田中希実選手などを抑え、初優勝しました。

代表内定選手の詳しいプロフィールや、大会最終日の各種目の結果を紹介しています。

大会のもようは【NHKプラスで配信中】↓↓↓(2024年7月7日まで)

男子110mハードル 村竹ラシッドがパリ五輪内定

男子110メートルハードルの決勝で、すでに参加標準記録を突破している村竹ラシッド選手が自己ベストに迫る13秒07の好タイムで優勝し、初めてのオリンピック代表に内定しました。

この種目では去年の世界選手権で5位入賞を果たした泉谷駿介選手が、すでにオリンピック代表に内定していて、日本選手に残された出場枠は最大2つです。泉谷選手と並ぶ13秒04の日本記録を持つ村竹選手は、すでにパリオリンピックの参加標準記録13秒27を突破しているため、今大会の優勝が代表内定の条件でした。

レースは村竹選手と日本歴代3位のタイムを持つ高山峻野選手が競り合う展開となりましたが、村竹選手が中盤から抜け出し、そのままトップでフィニッシュしました。

村竹選手は自己ベストに迫る13秒07の好タイムで日本選手権初優勝を果たし、初めてのオリンピック代表に内定しました。2位には13秒31で高山選手が入りました。

村竹ラシッド「パリ五輪では12秒台で」

村竹ラシッド選手は「序盤でハードルに足を当ててしまって、まだまだだと思ったが、それでもこのタイムが出たので記録はまだ伸びると思う。その部分は悔しさがある」とレースを振り返りました。
そのうえで「ここがゴールではない。もう一段階あげていかないと世界のトップには届かないと思っている。パリオリンピックでは最高のパフォーマンスで12秒台のタイムを出して決勝に進出とメダル獲得を目標に頑張りたい」と意気込みを話していました。

【決勝 結果】男子110mハードル(参加標準記録 13秒27)

▽1.村竹 ラシッド 13.07 ★パリ五輪内定
▽2.高山 峻野 13.31
▽3.横地 大雅 13.39
▽4.阿部 竜希 13.41
▽5.野本 周成 13.43
▽6.石川 周平 13.47
▽7.藤井 亮汰 13.48
▽8.町 亮汰 13.55

◇村竹ラシッド(むらたけ・らしっど)選手

陸上男子110メートルハードルの村竹ラシッド選手は、千葉県出身の22歳。トーゴ人の父と日本人の母の間に生まれ、力強い走りが持ち味です。19歳だった2021年に東京オリンピックの代表選考を兼ねた日本選手権の予選で当時のオリンピックの参加標準記録を突破する13秒28をマークして注目されましたが、決勝ではフライングで失格となりオリンピック出場を逃しました。

その後はパリ大会出場を目標に世界の舞台でも経験を積んできましたが去年はシーズン序盤に肉離れをおこすなどけがに悩まされました。それでも、けがで走れない間に下半身のトレーニングやハードリングの技術を見直したことで去年、13秒04という日本記録に並ぶタイムをマークしました。村竹選手は、初めてのオリンピックとなるパリ大会に向けては「勝つことだけを考えている」と闘志を燃やしていました。

女子100mハードル 福部真子が優勝 パリ五輪内定

女子100メートルハードルの決勝で日本記録保持者の福部真子選手が12秒86のタイムで優勝し、パリオリンピックの代表に内定しました。

決勝には
▽日本記録保持者の福部選手や
▽29日の準決勝で12秒85の自己ベストをマークした好調の田中佑美選手
▽それに元日本記録保持者で、2大会連続のオリンピック出場を目指す寺田明日香選手などが出場しました。

福部選手は準決勝で自身の日本記録に迫る12秒75をマークしてパリオリンピックの参加標準記録を突破したため、優勝が代表内定の条件でした。向かい風0.2メートルで雨が降る中で行われたレースは、スタートからスピードに乗った福部選手が競り合いを制して、12秒86のタイムでトップでフィニッシュし、2年ぶりの優勝を果たすとともにパリオリンピックの代表に内定しました。福部選手は初めてのオリンピック代表内定です。

2位には田中選手が12秒89で入り、3位の寺田選手も12秒91という好タイムでした。

福部真子「まだタイム伸びる 修正していきたい」

福部真子選手は「やったーという感じです」と初めてのオリンピック代表に内定した喜びを表現しました。決勝のレースについては「スタートから1台目までの加速を意識し、あとはなるようになるという気持ちで走った。予選から3本のレースの中で一番悪かった内容だったと思うので少し消化不良というかまだやることはあると思う」と冷静に振り返りました。
そのうえで、パリオリンピックに向けては「スタートから1台目までの動きがはまってくれば、まだタイムが伸びると思っているので、そこは修正していきたい。いまのタイムでは、世界のトップには届かないので、なんとかくらいつけるところまで持っていきたい」と話していました。

【決勝 結果】女子100mハードル(参加標準記録 12秒77)

▽1.福部 真子 12.86 ★パリ五輪内定
▽2.田中 佑美 12.89
▽3.寺田 明日香 12.91
▽4.大松 由季 13.15
▽5.清山 ちさと 13.17
▽6.紫村 仁美 13.21
▽7.中島 ひとみ 13.23
▽8.芝田 愛花 13.29

◇福部真子(ふくべ・まこ)選手

陸上、女子100メートルハードルの福部真子選手は、広島県出身の28歳でこの種目の日本記録保持者です。小学生のころに陸上を始め、100メートルハードルでは高校生時代に全国高校総体を3連覇し注目されました。

大学卒業とともに競技を引退することも考えたといいますが、4年生で自己ベストを更新したことをきっかけに競技を続けることを決め、2022年の世界選手権では準決勝に進出しました。さらに同じ年の国内の大会で12秒73の日本記録をマークしました。しかし、去年の日本選手権では上位4人が12秒台のタイムをマークするレースの中で4位に終わり、世界選手権出場を逃しました。

この悔しさを糧に今シーズンは、体脂肪を減らすなど肉体改造にも取り組み、今大会の準決勝では自身が持つ日本記録に0秒02に迫る12秒75をマークしパリオリンピックの参加標準記録を突破していました。

女子走り幅跳び 秦澄美鈴がパリ五輪内定

女子走り幅跳びの決勝で、すでに参加標準記録を突破している秦澄美鈴選手が6メートル56センチで優勝し、パリオリンピックの代表に内定しました。

この種目の日本記録保持者で、すでにパリオリンピックの参加標準記録を突破している秦選手は、この大会での優勝が内定の条件で、雨が降りしきる悪条件の中、2回目に6メートル37センチを跳んでトップに立ちました。秦選手は5回目には6メートル44センチまで記録を伸ばし、6回目には追い風1.4メートルの中、力強い踏み切りから6メートル56センチをマークして優勝を果たしました。

28歳の秦選手は、この大会、4年連続5回目の優勝で初めてのオリンピック代表に内定しました。

秦澄美鈴「内定することができて ほっとしている」

秦澄美鈴選手は「内容にこだわりたいと思っていたので、思っていたような内容にならず残念な気持ちはあるが、まずは代表にしっかり内定することができてほっとしている」と話し、自身の持つ日本記録に40センチ余り届かなかったものの雨が降る悪条件の中、代表内定を決めた大会を振り返りました。
そのうえで初めてのオリンピックに向けて「決勝に進んで上位入賞をねらって頑張っていきたい」と意気込みを話しました。

【決勝 結果】女子走り幅跳び(参加標準記録 6m86)

▽1.秦 澄美鈴 6m56 ★パリ五輪内定
▽2.竹内 真弥 6m36
▽3.木村 美海 6m35
▽4.近藤 いおん 6m16
▽5.山本 渚 6m07
▽6.小林 聖 6m07
▽7.中尾 優花 6m02
▽8.白土 莉紅 6m01
▽9.吉岡 美玲 6m00
▽10.熱田 心 5m98
▽11.北田 莉亜 5m93
▽12.権瓶 明日夏 5m89
▽13.嶺村 優 5m88
▽14.高良 彩花 5m86
▽15.船田 茜理 5m83
▽16.乙津 美月 5m78
▽17.齋藤 遥 5m65
▽18.秦 くるみ 5m58
▽19.市原 琴乃 5m52
▽20.本田 姫星 5m48

◇秦澄美鈴(はた・すみれ)選手

陸上、女子走り幅跳びの秦澄美鈴選手は大阪府出身の28歳です。身長1メートル69センチで長い手足を生かした高さのある跳躍が持ち味です。テレビドラマで見た走り高跳びのシーンに憧れて高校1年生のときに陸上を始め、走り高跳びや短距離、三段跳びなどを経験しながら、大学3年から本格的に走り幅跳びを始めました。その後、社会人1年目で出場した2019年の日本選手権で初優勝し、2021年からは大会3連覇を果たしています。

去年7月のアジア選手権でパリオリンピックの参加標準記録を上回る6メートル97センチの日本新記録をマークして、優勝を果たしました。その後は、踏み切りに違和感を感じて国際大会では結果を残せていませんでしたが、5月の大会では6メートル72センチの好記録をマークして復調ぶりを感じさせていました。

女子800m 高校2年生 久保凛が初優勝 田中希実など抑え

女子800メートルの決勝で高校2年生の久保凛選手が自己ベストとなる2分3秒13の好タイムをマークして優勝しました。

東大阪大敬愛高校2年の久保選手は、サッカー日本代表の主力、久保建英選手のいとこで、1年生で出場した去年の全国高校総体の800メートルで優勝し、ことしは、日本のトップ選手も参加した国内の大会でも優勝するなど急成長を遂げる注目の選手です。

初出場の日本選手権では29日の800メートル予選を全体トップのタイムで通過し、30日の決勝では、終盤のスパート勝負で中長距離のエース、田中希実選手などを引き離し、自己ベストとなる2分3秒13の好タイムで初優勝しました。この種目で高校生が優勝するのは8年ぶりです。

この大会で5レース目となった田中選手は2分5秒14のタイムで7位でした。

【決勝 結果】女子800m(参加標準記録 1:59.30)

久保 凛選手

▽1.久保 凛 2:03.13(高校2年生)
▽2.卜部 蘭 2:04.26
▽3.渡辺 愛 2:04.33
▽4.塩見 綾乃 2:04.70
▽5.池崎 愛里 2:04.80
▽6.川田 朱夏 2:05.06
▽7.田中 希実 2:05.14
▽8.広田 有紀 2:06.91

男子800m 高校3年生 落合晃が初優勝

男子800メートルは予選で日本記録に迫るタイムをマークした高校3年生の落合晃選手が初優勝しました。

落合選手は、滋賀学園の高校3年生で、29日の800メートルの予選で日本記録まで0秒07に迫る1分45秒82の好タイムをマークして、20歳以下の日本記録を更新しました。30日の決勝ではスタート直後から先頭でレースを引っ張って、そのまま逃げ切り、1分46秒56のタイムで初優勝を果たしました。この種目で高校生が優勝するのは5年ぶりです。

【決勝 結果】男子800m(参加標準記録 1:44.70)

▽1.落合 晃 1:46.56(高校3年生)
▽2.川元 奨 1:47.66
▽3.四方 悠瑚 1:47.94
▽4.石井 優吉 1:47.99
▽5.岡村 颯太 1:48.02
▽6.佐藤 主理 1:48.23
▽7.早川 龍斗 1:48.45
▽8.前田 陽向 1:48.70

男子100m 坂井隆一郎が連覇も今大会の代表内定ならず

男子100メートルの決勝には
▽去年の日本選手権で初優勝し、大会連覇をねらう26歳の坂井隆一郎選手や
▽日本歴代7位となる10秒02の自己ベストを持つ20歳の大学生、柳田大輝選手
▽それにこの種目で2大会ぶりのオリンピック出場を目指す元日本記録保持者の桐生祥秀選手などが出場しました。

坂井隆一郎選手が連覇(右)

向かい風0.2メートルで、雨が降る中で行われたレースは、坂井選手が得意のスタートダッシュで飛び出し、終盤にほかの選手に追い上げられましたが、わずかに競り勝って大会連覇を果たしました。

この種目の連覇は、2009年から2012年にかけて4連覇し、現在は坂井選手を指導する江里口匡史さん以来、12年ぶりです。タイムは10秒13でパリオリンピックの参加標準記録、10秒00には届かず、この大会での代表内定はなりませんでした。

2位には10秒14で28歳の東田旺洋選手が入り、3位の柳田選手も同タイムの10秒14と上位3人が0秒01の差で競り合う結果となりました。桐生選手は、10秒26で5位でした。

坂井隆一郎「勝ちきることができるのが自分の強さ」

坂井隆一郎選手は「スタートは自分の今できる精いっぱいが出せたと思うし、最後追い上げられても勝ちきることができるのが自分の強さだと思う」と充実した表情で振り返りました。
一方で、パリオリンピックの参加標準記録は突破できず、この種目でのオリンピック出場は世界ランキングで上位に入って代表に選ばれる必要があることについて「オリンピックに出場できるかどうか本当にギリギリだと聞いている。代表に選ばれたときのために、もう一段階レベルをあげられるよう準備したい」と話していました。

【決勝 結果】男子100m(参加標準記録 10秒00)

▽1.坂井 隆一郎 10.13
▽2.東田 旺洋 10.14
▽3.柳田 大輝 10.14
▽4.デーデー ブルーノ 10.25
▽5.桐生 祥秀 10.26
▽6.和田 遼 10.26
▽7.鈴木 涼太 10.29
▽8.山本 匠真 10.31

男子400m 中島連覇も代表内定は出ず 佐藤は棄権

男子400メートル決勝は、中島佑気ジョセフ選手が45秒51のタイムで2連覇を果たしました。ただ、オリンピックの参加標準記録は突破できず、すでに記録を突破している2人も優勝できなかったため、この種目では今大会で代表に内定する選手は出ませんでした。

すでに参加標準記録を突破していて優勝すれば代表内定が決まる日本記録保持者の佐藤拳太郎選手は29日の予選で決勝進出を決めたものの、コンディション不良で棄権しました。

レースは、こちらもすでに参加標準記録を突破している佐藤風雅選手と、予選トップのタイムをマークした中島選手が競う展開となりました。中島選手は中盤から追い上げて最後の直線で佐藤選手をかわし、45秒51のタイムでトップでフィニッシュしました。

中島選手は大会2連覇を果たしましたが参加標準記録を突破することはできず、この大会でのオリンピック代表内定はなりませんでした。優勝が代表内定の条件だった佐藤風雅選手は45秒61で2位となり、こちらも今大会での代表内定はなりませんでした。

【決勝 結果】男子400m(参加標準記録 45秒00)

▽1.中島 佑気ジョセフ 45.51
▽2.佐藤 風雅 45.61
▽3.吉津 拓歩 45.96
▽4.川端 魁人 46.24
▽5.森 真聡 46.52
▽6.井上 大地 46.84
▽7.小渕 瑞樹 47.41
▽欠場.佐藤 拳太郎

《4日目 このほかの結果》

【決勝 結果】男子走り高跳び(参加標準記録 2m33)

優勝した赤松諒一 選手

▽1.赤松 諒一 2m25
▽2.衛藤 昂 2m25
▽3.真野 友博 2m20
▽4.長谷川 直人 2m20
▽5.原口 颯太 2m15
▽5.勝田 将 2m15
▽7.宮田 風 2m15
▽7.瀬古 優斗 2m15
▽7.山中 駿 2m15
▽10.澁谷 蒼 2m10
▽11.佐藤 凌 2m10
▽12.戸邉 直人 2m10
▽12.堀井 遥樹 2m10
▽14.江頭 亮 2m10
▽15.柴田 涼太郎 2m10
▽16.桃田 三四朗 2m05
▽17.永島 将貴 2m05
▽17.平塚 玄空 2m05
▽欠場.坂井 宏和

【決勝 結果】女子200m(参加標準記録 22秒57)

▽1.君嶋 愛梨沙 23.16
▽2.鶴田 玲美 23.20
▽3.高橋 亜珠 23.79
▽4.青野 朱李 23.88
▽5.御家瀬 緑 23.92
▽6.壹岐 あいこ 24.09
▽7.佐藤 葵唯 24.29
▽8.松本 奈菜子 29.08

【決勝 結果】女子400mハードル(参加標準記録 54秒85)

▽1.山本 亜美 56.60
▽2.梅原 紗月 57.38
▽3.松岡 萌絵 57.61
▽4.益子 芽里 58.07
▽5.南澤 明音 58.26
▽6.大久保 光 58.65
▽7.辻井 美緒 58.73
▽8.宇都宮 絵莉 59.01

【決勝 結果】男子砲丸投げ(参加標準記録 21m50)

▽1.奥村 仁志 18m53
▽2.アツオビン ジェイソン 18m35
▽3.森下 大地 17m61
▽4.村上 輝 17m36
▽5.幸長 慎一 17m29
▽6.山田 暉斗 17m26
▽7.稻福 颯 16m96
▽8.渡辺 豹冴 16m93
▽9.佐藤 征平 16m59
▽10.佐野 拓人 16m39
▽11.國司 裕通 16m28
▽12.飛松 功 16m19
▽13.岩佐 隆時 16m10
▽14.羽生田 智 15m79
▽15.戸辺 誠也 15m38

【決勝 結果】女子 砲丸投げ(参加標準記録18m80)

▽1.郡 菜々佳 15m67
▽2.大迫 晴香 15m45
▽3.大野 史佳 15m28
▽4.尾山 和華 14m84
▽5.田中 杏実 14m46
▽6.今西 あかり 14m30
▽7.日夏 涼香 14m12
▽8.坂 ちはる 14m11
▽9.菊池 聖奈 14m07
▽10.奥山 琴未 14m03
▽11.中原 鈴 13m95
▽12.吉沢 花菜 13m94
▽13.松下 ちひろ 13m78
▽14.秋山 愛莉 13m65
▽15.廣島 愛亜梨 13m46
▽16.谷口 梨瑠 13m23
▽17.三田 樹梨香 12m46
▽18.大谷 夏稀 12m10

《大会4日目 注目は》

男子100m 決勝(参加標準記録 10秒00)

陸上の花形種目、男子100メートルは、去年の世界選手権で決勝に残ったサニブラウン選手がすでに代表に内定していて、日本勢に残された枠はあと2つです。参加標準記録の10秒00を突破しての優勝が条件となる、オリンピック代表内定を目指します。オリンピックではメダル獲得をねらう400メートルリレーの代表を選ぶ上でも重要なレースとなります。

【準決勝のタイム】
▽坂井 隆一郎 10.11
▽東田 旺洋 10.16
▽デーデー ブルーノ 10.18
▽柳田 大輝 10.20
▽桐生 祥秀 10.20
▽和田 遼 10.21
▽鈴木 涼太 10.22
▽山本 匠真 10.24

女子100mハードル 決勝(参加標準記録 12秒77)

前日の準決勝で、日本記録保持者の福部真子選手が12秒75の好記録をマークしました。パリオリンピックの参加標準記録、12秒77を突破したため、30日の決勝で優勝すれば、初めてのオリンピック代表に内定します。
去年のアジア大会で銅メダルを獲得した25歳の田中佑美選手、東京オリンピック代表で、元日本記録保持者の寺田明日香選手も決勝に進んでいます。

女子走り幅跳び 決勝(参加標準記録 6m86)

去年7月のアジア選手権で6メートル97センチの自己ベストと17年ぶりとなる日本記録の更新を果たした秦澄美鈴選手。この記録は東京オリンピックの金メダリストの記録にあと3センチに迫るものでした。その後は得意としていた踏み切りに違和感を感じ、国際大会では結果を残せない日々が続いていましたが、5月の国内の大会で6メートル72センチと好記録をマークし復調を感じさせました。日本選手権4連覇を果たせば、オリンピックへの切符をつかむことができます。

男子走り高跳び(参加標準記録 2m33cm)

▽赤松諒一選手(2m30cm)
▽真野友博選手(2m31cm)

去年の世界選手権で8位に入賞した赤松選手は、参加標準記録を突破した時点で代表内定となりますが、その記録は自己ベストを3センチ上回る、厳しいものです。真野選手もおととしの世界選手権で8位に入賞していて、自己ベストでは赤松選手を1センチ上回っていて、2人とも勝負だけでなく記録との戦いとなります。

女子800m 決勝 (参加標準記録1:59.30)

注目の高校2年生、久保凛選手。サッカーの久保建英選手のいとこで、ことしはシニアの大会でも優勝するなど急成長を遂げる注目の若手です。前日の予選では田中希実選手と同じ組で競り勝ち、全体トップで決勝に進んでいます。すでに1500メートルと5000メートルで代表に内定している田中選手との争いに注目です。
また、地元・新潟市出身の広田有紀選手。研修医というもう1つの顔を持ついわば“二刀流”の選手も決勝に臨みます。

《4日目 競技予定》

【トラック競技】

★16:40 女子 400mH 決勝
★16:55 女子 800m 決勝
★17:05 男子 800m 決勝
★17:20 女子 200m 決勝
★17:35 男子 400m 決勝
★17:50 女子 100mH 決勝
★18:10 男子 110mH 決勝
★18:25 男子 100m 決勝

【跳躍競技】

★15:30 男子 走高跳 決勝
★16:10 女子 走幅跳 決勝

【投てき競技】

★14:45 女子 砲丸投 決勝
★17:00 男子 砲丸投 決勝

☆五輪の内定条件は

日本選手権でオリンピックの代表に内定するには、優勝して参加標準記録を突破する必要があります。

◆すでに参加標準記録を突破している選手
=今大会の優勝が条件
◆去年の世界選手権で入賞している選手
=今大会の順位に関係なく参加標準記録を満たした時点で内定

ただ、この条件を満たせなくても、世界ランキングなどで日本選手権のあとに代表に内定する可能性は残されています。それでも今大会でなるべく高い順位に入ることが重要になります。